7:後悔 ページ8
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時刻は23時38分。
ババアも新八も神楽もAもみんなが酔いつぶれたり騒ぎ疲れて寝てしまった。
俺はというと、酒を飲んでも飲んでも一向に眠くならず、Aがいなくなるという焦りと不安で眠くなるどころか逆に目が冴えてきている。
「こんなところで寝たら、風邪ひくっての」
カウンター近くにあるソファに寝かせ、Aと新八、神楽は万事屋で寝かせることにする。
神楽は押入れの中、新八は床に布団を引いて寝かせる。
二人分を万事屋まで抱き上げて寝かせるというのはかなり体力的にしんどくて、まだ夏でもないし、夜で肌寒いぐらいなのに汗をかいてしまうほど。
最後に残ったAを抱き上げると、神楽とは違う女特有の柔らかさに少し胸がドキリとした。
「こんなんでドキドキするとか中学生かよ」
正直、Aをこんなふうに感じるのは初めてのことでちょっと変な感覚だ。
こいつって、こんなに細かったけって思うし、ちゃんと食ってるのかってぐらい軽くて少し驚く。
って言っても、万事屋に一緒に住んでたわけだから十分に飯は食わせてやれなかった。
やっぱり募るのは後悔ばかりで、あの時Aにこうしてやれば良かった、もっとちゃんとしときゃ良かった、ちゃんと、好きだと言ってればよかった。
「ほんと俺って、不甲斐ねぇな」
Aを抱きながら万事屋へと向かう階段を上っているあいだがとても長く感じた。
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作者名:しゃしゃねこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=80052c2ded6763cad9b2f669385f5dbf...
作成日時:2018年6月30日 19時