【名探偵コナン】それ、疲れません？【降谷零】

Case41 ページ43

(ピッキングが得意な探偵とは……)



物音がしたであろう部屋は鍵がかかっており、開かなかった。

そこで名乗り出たのは、

セキュリティ会社に友人がいるという安室さんだった。



(もう、胡散臭さがこびりついてとれないな)



遠目でピッキングする姿を見て、はぁ…と小さくため息をついた。







「開けるなぁ！！！！」




そう叫んだのは紛れもないコナンくんで、

どうやら物音がした部屋にいたらしい。



「こ、コナンくん…？」

「あ、開けちゃダメだよ…。

ドアを塞いでるの、死体だから…」



その場全員がどよめいた。



その後、警察に連絡をし、

警察が到着。

コナンくんから話を聞けば、どうやら密室での殺人らしい。



『君はことごとく私を巻き込んでくれるよね』

「わざとじゃねぇかんな」



わざとなら大問題だ。



「密室殺人だぁ！？
遺体が扉をふさぐように倒れてたのになんで殺人なんだよ」



蘭ちゃんのパパさんは呆れたように

横溝警部にため息をついた。



「え？あ、でも…部屋のなかにいたコナンくんが…
大きな音がしたすぐあとに遺体や花瓶にさわったけど、どちらの血も乾いていたと…」

「音のすぐあとかわかりゃしねぇぞ？
このボウズ、脳震盪でボーッとしてたし…

それにその音、本当に花瓶が落ちた音かもわかりゃしねぇ。
大体、密室を作るような知能犯がそんなすぐにバレる反抗をするわけが…」


まぁ、確かにそうだが、


(どうにも事故、とは考えにくい)


不自然に遺体の下敷きになっていたラケット。

乾いた血液。

異様に高い室温。

溶けたケーキ…。





「犯人とって、

2つの大きな計算違いが生じたからではないでしょうか」


隣にいた安室さんは、

蘭ちゃんのパパさんに向かってそう言った。


「…ね、Aさん」

『え』


おぉっと、

なぜそこで私に振るのかなぁ。


安室さんを見ても返ってくるのは微笑みだけ。

あれ、

これ試されてるのか。




『……１つ目は、

コナンくんが部屋のなかで毛布にくるまり、眠っていたこと。
2つ目は、鍵の掛けられたその部屋の扉を安室さんが開けてしまったこと………ですかね』

「さすが高校生探偵、工藤新一くんの助手さんだ」



意味ありげにそう言われ、

私の眉間は自然と寄ってしまう。



(……本当に、)





油断できない。

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