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Case33 ミステリートレイン ページ34

二人が貨物車へと向かう。


(どう、すればいい…)


彼女は知人でもないし、

関係のない人間だ、


でも



(声が、哀ちゃんにそっくりだ)



しかも彼女は、

少年探偵団を助けてくれた。



(………黒の組織相手に、何ができる)


しかも、

相手は、彼だ。









(それでも、)


見過ごしてなんかいられない。


貨物車に向かう扉を二人が潜ったのを確認し、

その後を追おうと、足を踏み出した。









「オイ、どこへ行く」



ドキン、と

大きく心臓が羽上がった。



「そちらには、あの男と、女性しかいないが?」



『……だから、行くんですよ』




まさか、バーボンの仲間…?

震える足に力をいれ、

流れる冷や汗に寒気を感じながら、

ゆっくりと振り返った。






その男は、

先ほど廊下ですれ違った、





(いや、でも、)



火傷が…ない……




「………ふむ…。

随分と、綺麗に育ったな、君は」


『……………は?』





「それはきっと、母親譲りなんだろうな」




『……あ、なた………母を、知ってるんですか』



絞り出した声は、とても震えていて、

ちゃんとしゃべれていたのかわからない。



「まぁな」

『い、一体……!!』
「それよりも、」






「彼女を助けなければならない」





彼は私を抜き去り、

貨物車へと向かっていく。


その背中を見つめ、

どこか懐かしさを感じたのは、気のせいだろうか。





「君は、」





ピタリと足を止め、

少しだけこちらに首を向けた。






「真実が残酷でも、


受け止めることはできるか?」




『どういう、意味で………』




「そのままさ、


六条A」



君はこれから、

大きな力と対峙するだろう。


真実を知り、

絶望することだろう。





「それでも君は、深淵を覗こうとするのか?」




かの有名な哲学者は言った。




"深淵を覗き込むとき、深淵もまたお前を覗き込むのだ。"




『………それは、ニーチェ著作の"善悪の彼岸"の1文ですか』

「ほぉ……読んだことがあるのか」

『まぁ…』



「なら、意味はわかるだろう?

真実を知りたいのなら、己を律しろ。
どうにも、砕けてしまいそうになるのなら、

胸ぐらいは貸そう。




小さなワトソン」




"なら、君は小さなワトソン…というところか"



過去に言われたことのあるその言葉。



『あ、なたは……』



名前を呼び掛けたその時、

貨物車から爆発音が響いた。

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ソーダ愛す - ヤバい、面白すぎる...!個人的におジャ魔女とひょっこりはんがツボでしたww (12月13日 21時) (レス) @page49 id: 73c730aa71 (このIDを非表示/違反報告)
テトノ - 初めまして、とてもおもしろいです!!!はい、ひょっこりはんの所がとくにおもしろかったです (2022年4月10日 12時) (レス) @page44 id: 766cae026c (このIDを非表示/違反報告)
いつも楽しみに読んでます!更新頑張ってください! - ライ (2018年10月14日 9時) (レス) id: a0ae5a4b08 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、面白いですヽ(*≧ω≦)ノパルクール出来る女子高生とかカッコいい!安室さん推しな感じも最高です♪ 正にドキドキハラハラな展開も良いです(*´艸`*)ひょっこりはんも笑いました(笑) (2018年6月13日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アオ - あおいさん» ありがとうございます!続編の方、読みました。教えていただき、本当にありがとうございました。 (2018年5月13日 8時) (レス) id: c480416726 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/  
作成日時:2018年4月7日 22時

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