【名探偵コナン】それ、疲れません？【降谷零】

Case31 ミステリートレイン ページ32

『は？火事？』


一等車へ向かう中、

事件に関わっていたであろう容疑者たちがこちらへなだれこんできた。


皆がみな、血相を変えて。


一等車のほうがくを見れば、

微かに煙が流れている。


(……火事なら、)


もっと、煙は黒ずんでないか……？

あまりにも白すぎる。

火元と距離が離れているから？


(それより、哀ちゃんは……)


こちらへなだれこんできた中にはいない。

おまけにコナンくんも見あたらない。


まだ一等車に？


(もし、)


もし、私が組織から追われる身で、

直線しかないこんな列車に乗せられ、

逃げるのなら、



(自ら危険な場所に身を投じる)



誰だって、危険な場所に場所には入りたくないものだ。



(行くっきゃない)



手で口許を覆い、一等車へと、

足を踏み入れた。



充満する煙。

それが目にしみるが、まぁ許容範囲だ。



(スプリンクラーは作動していない)



それに、燃える音も聞こえない。

本当に、火事？



『哀ちゃん』と、

探し人の名前を呼ぼうとしたとき、

聞き慣れた声がし、


その声の主が放った言葉に、

私の体は硬直した。









「バーボン…。

これが僕のコードネームです」


私立探偵、

ポアロのアルバイト店員、



なんで、彼が……




(組織のコードネームを、持っている……！？)



新一に頼まれた組織の調査で、

バーボンというコードネームをもつ人物がいることは知っていた。



(それが、)



彼であったなんて。



(どうして、ですか……………！？)







安室さん。

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