【名探偵コナン】それ、疲れません？【降谷零】

Case30 ミステリートレイン ページ31

なぜ彼女に組織からメールが来たのかがわからない。


(こんな小さな子供が組織の関係者？)


いやでも、

反応からみるに、怯えているのがよくわかるし、

まだ、小学生だ。





(いや、まて……)





さっき、自分で立てた仮説を思い出した。



江戸川コナンは工藤新一で、

子供になった理由は黒の組織にある。



それを、この灰原哀におきかえたなら、


灰原哀は組織に関わる女性的で、

子供になった理由は黒の組織にある。



(そうすれば、

死体に動じない肝っ玉、
高校生よりもある落ち着き、
頭脳、
技術………)



どれも納得がいく。



「灰原さん、メールですか？」

「誰から？」

「コナンからじゃねーか？」


少年探偵団からの問い詰めに、

哀ちゃんは「ただの広告メールよ…」と誤魔化した。


「少し、トイレに行ってくるわ…」


席を立つ哀ちゃん。

それを心配する阿笠博士だが、

「風邪薬も飲んでくるから長くなる」と伝えて部屋を出ていってしまった。


「私、哀ちゃんに付き添ってくる」

「やめときなって、うざがられるだけよ」

「でも…」





『私が行くよ』


席を立って、ドアノブに手をかけた。


『哀ちゃん、私がいないとき、どんな感じだった？』

「え………ずっと、私の服の裾を掴んでたけど…。
やっぱり、なにか心配事でもあるのかな…」


うつむきがちにそういう蘭ちゃん。


『そっか。それは心配だよね…。

私もちょうどトイレ行きたかったから、行ってくるよ』

「そう？じゃあ…お願い」


心配そうにこちらをみる蘭ちゃんに、小さく笑いかけ、部屋を出た。


案の定、彼女はそこにはいなかった。


(早く探さないと……！)





"覚悟は決まった？"


あれがもし、黒の組織からのメールであるのなら、

随分と物騒な文面だ。



とりあえず、トイレに来てみるが誰もいない。

そりゃあそうだろう。



(コナンくんからのメールの返信もないし、哀ちゃんは電話に出ない…)



仕方ない。

直々に一等車に行って、コナンくんに相談するしか……。


そう思ったから矢先、

私の携帯が震えた。

それは探していた哀ちゃんからで、



"私は大丈夫だから、心配しないで"





(無理な相談でしょ…それは…)




１つため息をついて、私は一等車へと向かった。

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