Case11 ページ12
『………この人、外国の大女優じゃないの?』
「そう!シャロン・ヴィンヤード!」
園子ちゃんの携帯に写る彼女は、
高齢であるにもかかわらず、
若く見える。
『………どこが似てるの、これ』
「この人じゃなくて、こっち!」
次に見せたのは、
『…クリス・ヴィンヤード?』
「シャロンの娘なんだってー!ねぇねぇ、似てない?」
よくよく写真を見てみるが、
『目の色しか似てなくない?』
「いーや!絶対似てる!!」
『いや、私黒髪だし、こんな美人じゃない』
「ねぇ安室さん!!似てますよね!?」
ズイッとディスプレイを安室さんに向ければ、
安室さんはただただそのディスプレイを凝視し、
何かを考えているようだった。
「あ、安室さん?」
「似て……ますかね……?」
『ほらぁ…』
園子ちゃんは「えー…」と残念そうに首を傾げた。
「Aさんは美人…というよりも、可愛らしいの部類に入りますからね」
『ハハハ……………は?』
突然のお世辞にフリーズしてしまう。
こ、このイケメンは……。
『イケメンだから許される言動』
「「それな」」
『お世辞でも嬉しいです』と、
ややむず痒くなりながら言うと、
「お世辞じゃないのに」と、
困ったように安室さんは笑った。
「安室さんとAってさー、お似合いだと思うんだよねぇ…」
『園子ちゃん、君は簡単に爆弾を投下してくるなぁ…』
あきれ半分になりながら、
奥の部屋からコーヒー豆を取りに行くと、
残された3人の恋愛あれやこれやの話が聞こえてきた。
「実のところ、Aちゃんはどうですか?」
「えぇ…ボクには勿体無いですよ。きっと、好い人が見つかります」
「いやいやいやいや」
(いやいやいやいや)
むしろ逆。
こっちのほうが勿体無い。
容姿端麗、眉目秀麗。
仕事はそつなくこなすし、
料理もできる優男だ。
まぁ、車の運転は荒いが…。
(落ち度が見当たらない)
ふぅ…と、1つ息を吐き、
カゴから取り出したコーヒー豆が入った袋を抱え、立ち上がったとき、
ふと立てつけられている鏡が目に入った。
(…緑色の、目……か)
私の母は、
一体どんな瞳をしていたのだろうか。
少なくとも、幼い頃に亡くなった父は、
写真で見たときは黒だった。
写真が一枚もない、会ったことのない母親。
『クリス・ヴィンヤード…』
いやいや、
『そんなわけ、ね……』
「…」
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ソーダ愛す - ヤバい、面白すぎる...!個人的におジャ魔女とひょっこりはんがツボでしたww (12月13日 21時) (レス) @page49 id: 73c730aa71 (このIDを非表示/違反報告)
テトノ - 初めまして、とてもおもしろいです!!!はい、ひょっこりはんの所がとくにおもしろかったです (2022年4月10日 12時) (レス) @page44 id: 766cae026c (このIDを非表示/違反報告)
いつも楽しみに読んでます!更新頑張ってください! - ライ (2018年10月14日 9時) (レス) id: a0ae5a4b08 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、面白いですヽ(*≧ω≦)ノパルクール出来る女子高生とかカッコいい!安室さん推しな感じも最高です♪ 正にドキドキハラハラな展開も良いです(*´艸`*)ひょっこりはんも笑いました(笑) (2018年6月13日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アオ - あおいさん» ありがとうございます!続編の方、読みました。教えていただき、本当にありがとうございました。 (2018年5月13日 8時) (レス) id: c480416726 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2018年4月7日 22時