【名探偵コナン】それ、疲れません？【降谷零】

Case10 ページ11

「あんたって、だーれかに似てるのよねぇ……」


喫茶店ポアロのカウンターで、

肘をついて前のめりになりながら園子ちゃんは、

私の顔をマジマジと見つめてくる。


『誰かって……誰？』

「それがわかりゃ苦労しないわよ」


まぁそりゃあそうだ。


園子ちゃんのうなり声を聞き流しながら、

黙々と皿を洗う。



「誰か……確か、……女優………」

「私もずっと思ってたんだけど……思い出せないなぁ…」


蘭ちゃんも同じようにうなり声をあげる。


『誰かに似てるなんて、言われたことないけど』

「いや、絶対似てる！！！！

白い肌とか、緑の目とか……」



「何のお話をされているんですか？」

「あ、安室さん」


奥の部屋から出てきた安室さん。

きっと在庫確認が終わったのだろう。


「Aが誰かに似てるのよ…それが思い出せなくて…」

「へぇ…」


すると安室さんは、

私の視線に合わせるように腰を曲げ、

じっとこちらを見つめてくる。


うわぁ……顔整ってるなぁこの人。

イケメンだー。


見つめられて約10秒。



『…あ、あの……』

「はい？」


にこにこする安室さんの肩を少しだけ押して、

顔を背けた。


『わりと、恥ずかしいです』

「でしょうね」


「フフッ」と笑う安室さんは自分の耳を指差した。


「Aさん、顔には表情が出ずらいみたいですが……耳をみれば一目瞭然みたいですね」

『え』


とっさに耳に触れれば、なんだか熱い。


「うはぁ……Aのレアなとこ見ちゃったわー」

「すごい安室さん！
Aちゃんって、小さい頃から表情筋が硬いというかなんというか……」

「無愛想」

「そう、それ！」

『ねぇ、すごい失礼』


なぜディスられなければならないのだらうか。


「そうですか？
Aさん、結構表情豊かだと僕は思いますけど…。

ホラ、この前のコナンくん誘拐事件のときとか」

『あれは誰でもリアクション嫌でもとりますよ。
ホントに怖かった……』

「怖がるAもレア」

『園子ちゃん何撮ってるの。消して。マジで』


楽しそうに携帯をいじる園子ちゃん。

このお嬢様には何を言っても聞かない。

呆れてため息をついていたら、

園子ちゃんは店内に響くほどの大声を挙げた。



「この人！！この人よ！！」

『ちょ、静し………て……』


見せられた携帯に写っていたのは、

金髪のブロンドの美女だった。

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