第４８話【 新たな出逢い 】 ページ48
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襟を掴まれて連れて行かれる様は、まるで仔猫を思わせた。
名残惜しそうに名前を呼ぶユーリに軽く手を振り、Aも店を出る。
多くの通行人で賑わうショッピングモール。
その光景を見ていると現実の世界に戻ったのではないかと錯覚を起こしてしまう。
『 そんな訳ないのにな。』
ふるふると頭を振り、脳裏を
帰り際、Aが魔法を使えない事を覚えていてくれたジルが迎えに来る、と言ってくれた。
有難い申し出に甘えたA。時間は追って伝えてくれるらしい。
ユーリが居なくなった事で、案内をしてくれる人も居なくなった訳で。
宛もなくぶらぶらとショッピングモールを物色する。
と、今迄Aのフードの中で眠っていたチビが目を覚ました。ひょっこりと顔を覗かせたチビはAの肩へと移動する。
『 チビ？ 』
何かを探す様に辺りを見回すチビ。
最近のチビは良く眠る。以前に比べて一日の大半を寝て過ごしていると言っても過言ではない。
寝る子は育つと言う言葉をよく聞くが、まさかのチビも成長期というやつなのだろうか。
このサイズ感が可愛いチビがゼノンの様に大きくなってしまうのは少し寂しい気もする。
「 キュウ…キュ！ 」
『 あ、おい！ 』
突然、肩から飛び上がったチビ。Aを何処かへ
チビの行動を不思議に思いながらもAは、大人しくその後を追う。
『 なぁ、どこまで行くんだ？ 』
どれくらいの間、歩き続けたのか。
先程までの現代的な風景は消え去り、辺りは
尚、奥へと飛んで行くチビに不安を覚えながらも流石にチビを置いて戻る訳にもいかない。
何より、帰り道を覚えていない。
Aよりも先を飛んでいたチビが、止まる。
何度も必死に鳴き声を上げ、Aを呼ぶ。
『 チビ、どうし、た…？ 』
「 キュ、キュウ…、」
「 ……。」
やっとの事で追い付いたAは、チビが示す先に視線を移し、言葉を失った。それもそうだろう。
一本の巨大木に背を預けるように瞳を閉じた青年。
真っ白な髪が木々の間から降り注ぐ木漏れ日を反射して七色に輝く。
『 生きて、る…？ 』
死人の様に動かない彼にそっと指先を伸ばし、透き通る様な肌に触れた。
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花冠(プロフ) - 2017年…四年前の作品で良い物を見つけてしまった…！もっと先に見つけれたら更新されて行く楽しみが味わえたかも…。すごい読みやすいですし、設定が神です！チビちゃんかわいい… (2021年3月18日 13時) (
レス) id: 9f55fa5e42 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 雛菊さん» 有難うございます、とても嬉しいです…！これかも期待に応えられるように精進させて頂きますね！これからもご愛読、よろしくお願い致します！ (2017年12月1日 18時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 通知リストにあるかな〜と探すぐらい好きな小説です！とても読みやすくて大好きです！！ (2017年11月30日 18時) (レス) id: b475004931 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 風音迷夜さん» 沢山のお褒めの言葉…ありがとうございます！好きになって頂けてとても嬉しいです…チビは本当に人気がありますねw (2017年11月25日 16時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
風音迷夜 - ありきたりじゃない世界観に分かりやすい説明、この作品好きになりました！チビちゃんかわいいなもう！僕惚れちゃった←チビドラゴンにww (2017年11月22日 21時) (レス) id: b791237619 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にじ
| 作成日時：2017年9月26日 0時
