第18話【 同室の彼 】 ページ18
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授業を終えた空組の生徒が
クラインはその間も難しい表情をしていて、流石のAも段々と不安になってきた。
『 クライン、俺と同室の奴…何かまずいのか? 』
「 んー…本当はこういう話をするのもどうかと思うんだけど…。」
Aの問い掛けに
煮え切らないクラインの態度に、つい、その先を急かしてしまう。
『 気になるだろ…教えてくれ。』
「 はぁ、仕方ないか。お前と同室の奴…ジェイル=マリックって言うんだけど…そいつ、この学園内で暴力沙汰起こしてるんだよ。」
『 それで? 』
「 この学園は自由な校風を
『 …決闘は許可してんのに暴力行為はダメ、とは。』
「 魔法で受けた傷は魔法で治せるけど、それ以外の傷は治すのが難しいんだ。」
『 そこは万能じゃないのか…。』
正直な話。相部屋の相手より、魔法にそんな欠点があった事の方が驚きだ。
それにしても、暴力行為を起こした位でクラインからもこんなに距離を置かれるとは…。
「 だから、Aも気を付けろよ。」
『 さんきゅ。』
部屋替えは基本的にはないとクラインから聞かされたばかりのA。
相部屋になってしまったモノは仕方がない。
これからどう付き合っていくかが問題だ。
此処だよ。と案内された扉には405号室のプレート。
クラインはこの後、用事があるらしく先に下に戻るとの事。
自分も用事があったのに付き合ってくれていたのだと思うとクラインには頭が上がらない。
礼を述べ、クラインを見送る。
今日から自分の部屋になるのだとしても
『 失礼します。』
2回ほど声を掛けてみたが、返答はない。
どうやら留守の様だがドアノブを回してみる。
すると、がチャリと音がして扉が開いた。
『 …開いたな。お邪魔します。』
留守の間に部屋に入るのもどうかと思ったが、鍵を開けっ放しにしている方が悪いと結論付け、室内へと足を踏み入れる。
殺風景な部屋を想像していたAは、つい声を漏らす。
『 驚きだ…。』
「 おい。」
2人の声が重なった。
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花冠(プロフ) - 2017年…四年前の作品で良い物を見つけてしまった…!もっと先に見つけれたら更新されて行く楽しみが味わえたかも…。すごい読みやすいですし、設定が神です!チビちゃんかわいい… (2021年3月18日 13時) (レス) id: 9f55fa5e42 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 雛菊さん» 有難うございます、とても嬉しいです…!これかも期待に応えられるように精進させて頂きますね!これからもご愛読、よろしくお願い致します! (2017年12月1日 18時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 通知リストにあるかな〜と探すぐらい好きな小説です!とても読みやすくて大好きです!! (2017年11月30日 18時) (レス) id: b475004931 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 風音迷夜さん» 沢山のお褒めの言葉…ありがとうございます!好きになって頂けてとても嬉しいです…チビは本当に人気がありますねw (2017年11月25日 16時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
風音迷夜 - ありきたりじゃない世界観に分かりやすい説明、この作品好きになりました!チビちゃんかわいいなもう!僕惚れちゃった←チビドラゴンにww (2017年11月22日 21時) (レス) id: b791237619 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2017年9月26日 0時