第57話【 魔が巣喰う森 】 ページ9
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風の音と落ちた木の葉を踏みしめる4人の足音だけが森に響く。
ここまで歩いて来る間、会話らしい会話はない。
Aを除いた3人は、周囲を警戒する様に
当然ながらAは何をすれば良いのか分からない為、3人の邪魔にならない様に沈黙を守っている真っ最中だ。
「 …よし、ここら辺なら大丈夫だろう。」
「 そぉですね! 」
「 うん、問題なさそう。」
『 …あの、』
3人が肩の力を抜くのと同時にAは疑問を投げ掛ける。
『 何が、大丈夫なんです? 』
「 …お前、知らないのか。」
『 ? 』
「 Aくん、この森は魔物が出るんだよぉ。」
『 …魔物? 』
「 そう。魔物は人間を襲う。この森は別名、魔が巣喰う森。」
「 つまり、魔物がいつどこから襲って来ても可笑しくない場所って事だ。」
Aが何も知らないと言えば、嫌がる事なく教えてくれる。
魔物は、この国のそこらじゅうに居る。
しかし今まで魔物に出会った事がなかったのは、学園の周囲に魔物を寄せ付けない為の結界をイリスが張り巡らせているから。
人が集まる場所全体を覆う結界は、未だ破られた事がなくイリスの偉大さが
そして、王都を追われた魔物達は自然とこの森を
それを知っている学園側はこれぞ好都合とこの場所を強化合宿の舞台に引っ張り出す。
魔物の増加も抑えられ、生徒達の魔法使いとしての技術は向上でき、
『 …え、戦闘訓練? 』
「 一言で言えばな。魔法を使うにしても基礎体力は大事って事。」
「 魔法だってぇ、無限に使えるワケじゃないんだぁ。」
「 魔法の強さは術者の体力に比例する。」
『 普通に驚きだわ。』
何かこう、呪文とかセンスとかが大事なのかと思ってた。まさかの体力が魔法の原動力だとは…。
「 さて、あらかたの説明も済んだ事だ。さっさと準備を終わらせるぞ。」
「 はぁい、何からやればいいかなぁ? 」
「 あ、A先輩は初めてなので見ているだけで良いですよ。」
ノエルの言葉にキースとアリアも頷く。
実際、今から何をするのかも分からないAはその言葉に甘えて数歩下がる。
3人が別々に魔法を発動させて、野営に必要な道具を呼び出す。
そして、魔法によって、テント等の最低限必要な物が組み立てられていく。
手伝うとかの次元じゃない。
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あこ - はいまた俺です()あぁぁまた続編ッッッ!!!!クッソ、興奮すr((((((黙れ 次も楽しみにしてます!御仕事無理せず、体調に気を付けて下さい!!更新はゆっくりでも待ってます!!楽しみのひとつとなっております!!えと、頑張って下さい!!() (2018年4月2日 18時) (レス) id: eb4bfbc582 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 流石イリスだ。わいの推し。 (2018年3月1日 4時) (レス) id: e853e23932 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ねむるさん» 他作品も読んで頂けるなんて…とても嬉しいです!ニヤニヤして貰える作品になっている様で嬉しく思います!2回も掛かったんですね…辛いです…。嬉しい告白を有難うございます…これからも頑張りますね!笑 (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - あこさん» 好きだと言って頂けるのはとても嬉しいです、有難うございます!これからも頑張らせて頂きますね! (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ーさん» 簡単な設定しか考えていませんが、次の続編で設定を入れさせて頂きますね。 (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2017年11月26日 14時