第52話【 強化合宿 】 ページ4
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そして月日は流れ、Aがこの世界に来て早一ヶ月が経っていた。
勿論、当初に比べればこの世界にも慣れ、文字の読み書きも今では完璧だ。
そして、月が変わった初日。
A達は別館へと集まる様に招集を掛けられていた。
『 なぁ、今から何があるんだ? 』
「 ん、そうか。Aは初めてだよな。」
『 ? 』
「 今月は、聖バラッド学園の全校生徒が対象の強化合宿がある。」
『 強化、合宿? 』
渡り廊下を歩きながら、クラインとジェイルの言葉に耳を傾ける。
何でも、ここ聖バラッド学園では毎年、6月と10月に全校生徒を対象とした強化合宿が行われているらしい。
今月は6月の為、その合宿の開催月。
この合宿は、名前の通り自身の力を強化する為の合宿だ。
魔法の基礎から応用、そして新たな魔法の習得など一人一人に合わせた内容で行われる。
当然だが、これは個人で行うものではない。
普段交流が少ない他の組との親睦を深めると言う名目も付いているらしく、3〜4人程のグループ分けが行なわれるとの事。
『 ふーん…それって何処でやんの? 』
「 場所は毎回ランダムなんだ。」
『 何それ、すご…。』
つーかなに、魔法強化って事は俺が行っても意味なくね?俺、魔法使えねぇし。
ふと、そんな事を考えながら足を進める。
歩き続ける事数分。
言うなれば、体育館だろうか。
広い空間にぶち当たった。
中には既に他の組が全員揃っており、空組が最後だと見て取れる。
こんなに人が居たのかとAは視線を
『 こんなに居たんだな。』
「 あぁ、Aは全校生徒が揃うの見るのは初めてか。他の組と顔を合わせる事なんてそうそうないからな…。」
『 正直、驚いてる。』
空組が揃った事で強化合宿についての説明が行われる。
内容は先程、クラインとジェイルが話してくれたものと余り変わらない。
こういった始業式・終業式の様な堅苦しい集まりが苦手なAは、暇を持て余し
「 それでは、只今より強化合宿を始める。」
『 ……ん? 』
「 君達が飛ばされる場所はランダムになる。」
『 いや、え? 』
「 幸運を祈るよ。」
今から、って言った?
何も聞いてなかったし、準備は?
頭での理解が追い付かないまま、イリスの話はトントン拍子に進んで行く。
ぱちん、とイリスが指を鳴らすのと同時に周囲の風景が変わった。
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あこ - はいまた俺です()あぁぁまた続編ッッッ!!!!クッソ、興奮すr((((((黙れ 次も楽しみにしてます!御仕事無理せず、体調に気を付けて下さい!!更新はゆっくりでも待ってます!!楽しみのひとつとなっております!!えと、頑張って下さい!!() (2018年4月2日 18時) (レス) id: eb4bfbc582 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 流石イリスだ。わいの推し。 (2018年3月1日 4時) (レス) id: e853e23932 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ねむるさん» 他作品も読んで頂けるなんて…とても嬉しいです!ニヤニヤして貰える作品になっている様で嬉しく思います!2回も掛かったんですね…辛いです…。嬉しい告白を有難うございます…これからも頑張りますね!笑 (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - あこさん» 好きだと言って頂けるのはとても嬉しいです、有難うございます!これからも頑張らせて頂きますね! (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ーさん» 簡単な設定しか考えていませんが、次の続編で設定を入れさせて頂きますね。 (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2017年11月26日 14時