日常小話【 其の弍 】 ページ24
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寝返りを打ったAが、
やっと起きたか、とジェイルが
「 ようやくお目覚めかよ。早く準備 ─── …、」
『 んー…しゅー、ま…?も、すこし…、』
「 あ"? 」
Aのぼんやりとした瞳は確かにジェイルを捉えてはいるが、その唇から零れた名前はジェイルのそれではない。
違う名前で呼ばれたと言う事実に身体を硬直させるジェイル。
そんな彼の動揺など知る
『 …い、しょに、ねよ…? 』
「 …ッ、ざけんな、」
漏れた声は自分が思っていたより弱々しく小さい。
首に回された腕は力が入っている訳でもないのに解ける気配はない…いや、振り解けない、が正しいか。
どれ程、そのままの体勢を続けていたのか。
耳許でAの規則正しい寝息が聞こえてくる。
「 …先に行くからな。」
Aを布団へと寝かせたジェイルは、そっと部屋を後にした。
「 って事があった。」
ジェイルの話を聞いていたクラインとキースは黙ったまま。
先に口を開いたのはクライン。
「 取り敢えず、名前の呼び間違い
「 それは同感だ。」
「 お前ら馬鹿だろ。」
クラインの的外れもいい所なセリフに真顔で頷くキース。2人のセリフに呆れるジェイル。
第三者からすれば羨ましいのかもしれないが。
好きなヤツが誰とも知らない男の名前を呼びながら自分を抱き締める。
これは中々に辛いものがある。
つーか、シューマって誰だよ。殺す。
「 シューマ、なぁ。」
「 シューマって名前の生徒ならこの学園にはいないよ。」
「 …ユーリ。」
「 悪い、話の内容が聞こえてしまってな。」
「 ジル先輩もいたんですね、珍しいです。」
3人の会話に入って来たのは、ジェイルの後ろの席に座っていたユーリとジル。
背中を向け合っていたため気が付かなかったらしい。
この学園の生徒会長と生徒会副会長の2人が言うのだから間違いなくこの学園にはいないのだろう。
それはそれで謎が深まるばかりなのだが。
「 それにしても寝惚けながら呼ぶ名前って事は親しい間柄なんだろうね? 」
「 ユーリ、目が笑ってないぞ。落ち着け。」
また話がややこしくなりそうだ。
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あこ - はいまた俺です()あぁぁまた続編ッッッ!!!!クッソ、興奮すr((((((黙れ 次も楽しみにしてます!御仕事無理せず、体調に気を付けて下さい!!更新はゆっくりでも待ってます!!楽しみのひとつとなっております!!えと、頑張って下さい!!() (2018年4月2日 18時) (レス) id: eb4bfbc582 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 流石イリスだ。わいの推し。 (2018年3月1日 4時) (レス) id: e853e23932 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ねむるさん» 他作品も読んで頂けるなんて…とても嬉しいです!ニヤニヤして貰える作品になっている様で嬉しく思います!2回も掛かったんですね…辛いです…。嬉しい告白を有難うございます…これからも頑張りますね!笑 (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - あこさん» 好きだと言って頂けるのはとても嬉しいです、有難うございます!これからも頑張らせて頂きますね! (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ーさん» 簡単な設定しか考えていませんが、次の続編で設定を入れさせて頂きますね。 (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2017年11月26日 14時