日常小話【 其の壱 】 ページ23
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「 …ジェイル1人?Aは? 」
「 ……置いて来た。」
「 は…?何でそうなった? 」
「 …場所、変えんぞ。」
事はジェイルが1人で寮の食堂へと顔を出した事から始まった。
何時もであればAを連れ、2人で食堂まで来てクラインと合流するのだが。
肝心なAの姿がないだけではなく、ジェイルの様子がどうにも可笑しい。
何よりジェイルがAを部屋に置いて来るなど、今迄一度もなかった。
どこか上の空なジェイルは、何時もより覇気がなく普段は口を開けば喧嘩を始めるクラインとも普通に会話が行えている。
これは、
場所は変わって、学園生共通で使用できる食堂。
ここ聖バラッド学園には各寮に配置された食堂の他に他組との交流を目的とした共用の食堂があるのだ。
「 それで? 」
「 …あぁ、」
「 …クラインとジェイル? 」
「 キース先輩! 」
口を開きかけたジェイルを遮ったのは、キースだった。
何時もは見掛けない顔ぶれに疑問を抱いたキースは首を傾げる。
「 こんな所でどうした?A…は、いないみたいだな。」
「 その、ジェイルの様子が少しおかしかったので詳しい話を聞こうかと…Aにも関係のある話みたいなので。」
「 Aに?俺も聞かせて貰っても良いか? 」
「 …別に良いっスけど。」
ありがとう、と一言述べたキースはクラインの隣へと腰を下ろす。
「 それで? 」
再度、話を促したクライン。
一つ頷いたジェイルが話を始める。
「 ……シューマって言われた。」
「 は? 」
「 …もう少し詳しく話して貰えるか? 」
ジェイルの主語のない言葉にクラインとキースはまた首を傾げた。
2人の言葉を受けてジェイルはつい先程、自分の身に起きた出来事をぽつりぽつりと話し始める。
時間は今朝へと遡る。
「 おい、A。遅れんぞ、良いのか。」
『 …んー、』
「 ったく…ほんと寝起き悪ィな。」
毎朝、Aを起こしているジェイル。
今日も同じようにAの身体を揺すり、目を覚まさせようとしていた。
何時もであればそろそろ目を覚ますのだが…。
今日は一向に目を覚ます気配がない。
これは面倒な事になったと、ジェイルは1人溜息を零す。
「 …おい。起きねェならマジで置いてくぞ。良いのか。」
ジェイルが何度目かの呼び掛けを始めた時。
Aが小さく布団の中で身じろいだ。
そして、事件は起こってしまった。
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あこ - はいまた俺です()あぁぁまた続編ッッッ!!!!クッソ、興奮すr((((((黙れ 次も楽しみにしてます!御仕事無理せず、体調に気を付けて下さい!!更新はゆっくりでも待ってます!!楽しみのひとつとなっております!!えと、頑張って下さい!!() (2018年4月2日 18時) (レス) id: eb4bfbc582 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 流石イリスだ。わいの推し。 (2018年3月1日 4時) (レス) id: e853e23932 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ねむるさん» 他作品も読んで頂けるなんて…とても嬉しいです!ニヤニヤして貰える作品になっている様で嬉しく思います!2回も掛かったんですね…辛いです…。嬉しい告白を有難うございます…これからも頑張りますね!笑 (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - あこさん» 好きだと言って頂けるのはとても嬉しいです、有難うございます!これからも頑張らせて頂きますね! (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ーさん» 簡単な設定しか考えていませんが、次の続編で設定を入れさせて頂きますね。 (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2017年11月26日 14時