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第62話【 懇願 】 ページ14

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主人(ロード)になって欲しい。
唐突に告げられた内容に頭での理解が追い付かず、Aは首を傾げた。



『 …えっと? 』

「 あぁ、急な話だったな。」



キースは、自身を落ち着かせる様に深呼吸を一つ。
ゆっくりと口を開く。



「 俺は、この人狼(ウェアウルフ)の力も使いこなしたい。もし、俺の身に何かあった時に暴走でもされたら取り返しがつかないからな…。」

『 そう、ですよね。』

「 だから、俺の力を制御(コントロール)してくれる主人(ロード)が欲しかったんだ。」



でも、と続ける彼が表情を曇らせる。
言いたい事は何となくAにも想像が出来る。
しかし彼の口から彼の言葉で聞きたいと、口を挟む事はせず次の言葉を待つ。



「 だが、この世界は異種族とのハーフと言う存在に嫌悪感(けんおかん)を持つ人間が大半を占める。そんな中で主人(ロード)を見付けるなんて、星を掴む様な、夢物語の様なモノだった。」



そんな時、お前が現れたんだ。
今迄、床を見詰めていた瞳がゆっくりとAの姿を映し出す。



「 俺という存在を否定せずに、受け入れてくれた。ハーフだと言うだけで醜いと言われ続けてきた俺を綺麗だと、褒めてくれた。」

『 ……。』

「 お前は俺が今迄欲しかったモノを、望んでも手に入らなかったモノを、さも当然だとでも言う様に与えてくれる。」

『 それは、俺の本心ですから…、』

「 あぁ、そういう真っ直ぐな心でさえも愛しく感じられて…堪らない。なぁ、A。俺の主人(ロード)になってくれないか? 」



起き上がったキースはAの傍まで移動し、ゆっくりと手を伸ばした。
その手はAの頬に触れ、存在を確かめる様に指先で撫でる。



『 …それは、良いですけど、どうやって…? 』

「 簡単だ。俺の名前を呼んで誓ってくれ。キース=グレイスの主人(ロード)になる、と。」

『 俺、は…キース=グレイスの主人(ロード)になる事を誓います、』

「 …ありがとう。」



Aの言葉を聞き遂げ、微笑むキース。
そして、この後はどうするのかと口を開きかけたAの唇が柔らかい何かに塞がれる。

それがキースの唇だと理解するのに数秒。
理解したと同時に、僅かに開いていた唇に彼の舌が入り込む。

当然ながら、Aはこれがファーストキス。



「 …ん、これで契約完了。」

『 な、んで…キスなんだよ?! 』



今、自分の顔は真っ赤だろう。



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第63話【 血の盟約 】→←第61話【 人狼の血 】



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あこ - はいまた俺です()あぁぁまた続編ッッッ!!!!クッソ、興奮すr((((((黙れ 次も楽しみにしてます!御仕事無理せず、体調に気を付けて下さい!!更新はゆっくりでも待ってます!!楽しみのひとつとなっております!!えと、頑張って下さい!!() (2018年4月2日 18時) (レス) id: eb4bfbc582 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 流石イリスだ。わいの推し。 (2018年3月1日 4時) (レス) id: e853e23932 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ねむるさん» 他作品も読んで頂けるなんて…とても嬉しいです!ニヤニヤして貰える作品になっている様で嬉しく思います!2回も掛かったんですね…辛いです…。嬉しい告白を有難うございます…これからも頑張りますね!笑 (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - あこさん» 好きだと言って頂けるのはとても嬉しいです、有難うございます!これからも頑張らせて頂きますね! (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ーさん» 簡単な設定しか考えていませんが、次の続編で設定を入れさせて頂きますね。 (2018年2月25日 13時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にじ | 作成日時:2017年11月26日 14時

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