78.全部、染まればいいのに ページ30
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長い、沈黙。
ついに言ってしまった。
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｢⋯⋯っ、えっと⋯、｣
彼女の表情は見えない。でも、見えなくたって分かる。
分かりたくないのに分かってしまう。だって、ずっと近くで彼女を見てきたから。誰にも負けないくらい、Aのことを恋い慕ってきたから。
皮肉なものだ。
こんな時でも彼女がなかなか言い出せない言葉を想像出来てしまうのだから。
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Aの受験が終わるまでは、言わないでおこうと決めていた。
ただ、一か八かで送ったメッセージは、着信という形で返ってきて。
何故だか、今日なら言えると思ってしまった。
今日を逃したら、もう言えないかもしれないと思った。
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Aが京本のことが好きだなんて、初めて会った時から分かっていたのに。二人には、俺なんか入りっこない二人だけの空間があったのに。
俺のことを親友だと言ってくれたのに。
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京本に、初めて俺の気持ちを話した時。
ーーー⋯⋯⋯大我『やっぱり(笑)そんな気したわ』
屋上に寝そべって、俺の方を見ずにそう呟いた京本。
多分、俺は入っちゃいけないところに入ってしまった。でもそれは戻ろうにも戻れなくて。
ーーー⋯⋯⋯大我『自分の気持ちの思うままに生きるしかないよ』
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そう続けた彼の顔を、見ることが出来なかった。
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あんじゅ(プロフ) - えみりーたさん» 嬉しいコメントありがとうございます♡本当にお待たせしました〜(TT)次回の更新もお楽しみに！！ヽ(*´∀｀)ノ (2022年8月10日 23時) (
レス) id: b8ed25930e (このIDを非表示/違反報告)
えみりーた(プロフ) - はじめまして。ずっと更新待ってました！切ない展開に、胸が締め付けられてます。この後どうなるのか、ますます楽しみになりました。期待してます！ (2022年8月10日 22時) (レス) @page8 id: d4d342cc13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんじゅ | 作成日時：2022年8月10日 19時
