71.微妙な距離 ページ23
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｢北斗！｣
と呼べば、案の定振り返ったネイビーのセーター。
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北斗｢西宮さん｣
｢補習？｣
北斗｢いや、数学で分からないところ個人的に聞きに行ってた｣
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そう言いながらも、手に持っているのはボロボロの英単語帳。丁寧な文字で書き込みがされていたり、マーカーで線を引いたり、付箋が貼られていたりして
普段からいかにコツコツ頑張っているかが分かる。
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北斗｢小論文、二宮先生に見てもらってるんでしょ？｣
｢そう。あの人ほんっとに鬼だよ｣
北斗｢でも俺は好きだな。絶対に俺らのこと見放さないし、授業も分かりやすい｣
それは本当だ。
三年に上がる時、特進クラスから落とされるかもしれないと言われたことがあった。
大我と離れたくなかった私は、先生に泣きついて三学期は放課後によく勉強を教えて貰っていた。
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北斗｢入試もうすぐ？｣
｢うん。再来週｣
北斗｢そっか。応援してる｣
｢ありがと。でも私のことはいいから北斗は自分のことだけ考えなよ(笑)｣
北斗｢いやぁ⋯⋯⋯ほら、他人事ではない？と言うかなんというか｣
｢どういうことそれ(笑)｣
北斗｢んー｣
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ーーー⋯⋯⋯間もなく五番線を特急が通過します。危ないですので黄色い線の内側までお下がりください。
ゴトンゴトン、大きな音がだんだん近付いてくる。この駅は特急は止まらないから、スピードもある程度出ていて。
ずっと続いていた私たちの会話は、それに反比例するようにピタリと止まった。
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北斗｢ーーーーー⋯⋯⋯⋯から｣
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あんじゅ(プロフ) - えみりーたさん» 嬉しいコメントありがとうございます♡本当にお待たせしました〜(TT)次回の更新もお楽しみに！！ヽ(*´∀｀)ノ (2022年8月10日 23時) (
レス) id: b8ed25930e (このIDを非表示/違反報告)
えみりーた(プロフ) - はじめまして。ずっと更新待ってました！切ない展開に、胸が締め付けられてます。この後どうなるのか、ますます楽しみになりました。期待してます！ (2022年8月10日 22時) (レス) @page8 id: d4d342cc13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんじゅ | 作成日時：2022年8月10日 19時
