67.やさしさとは ページ19
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彩羽と北斗は、黙ったままだった。
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体感ではずいぶん時間が経っていたような気がする。
一番初めに口を開いたのは、彩羽だった。
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彩羽｢分かった。あたしは何があってもAのそばにいるから｣
それだけは覚えてて、と続ける彩羽。
彩羽｢それに、ほら！こいつとかどう？｣
ドン！と背中を押されて、少しよろけた北斗。
柔軟剤のやわらかい香りがほのかに香る。
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北斗｢⋯⋯？！｣
彩羽｢ほ、く、と！せっかくイメチェンしたんだし、超優良物件だよ｣
北斗｢⋯おまっ！人を物のように扱いやがって！だいたい俺は松村北斗という一人の人間であって⋯
彩羽｢ごちゃごちゃうるさいな相変わらず｣
相変わらず、仲がいいのか悪いのか分からないこの二人が言い争いを始めて、思わずぷっと吹き出してしまった。
｢変わらないでいてくれて、ありがとう｣
二人の優しさに、これ以上の言葉を発すると涙が零れてしまいそうになるから。
すぐそこまで込み上げて来たものをぐっと飲み込んで、私は間に入って、二人を抱き寄せた。
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彩羽｢A可愛いー！私が一生かけて守る！｣
｢何それ、プロポーズ？｣
彩羽｢そう受け取ってくれていいよ｣
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長かったはずの夏が案外あっという間に過ぎ去っていった。
暑さに比例するように苦しかった夏。
ミーンミーンと鳴いていたセミはあちこちで寿命を全うしていて。
夜には秋の虫たちが自分の存在をアピールするかのように鳴き声合戦を始めている。
本当に夏が終わっていく。
そんな寂しさを感じる前にもう、秋が近付いている。
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あんじゅ(プロフ) - えみりーたさん» 嬉しいコメントありがとうございます♡本当にお待たせしました〜(TT)次回の更新もお楽しみに！！ヽ(*´∀｀)ノ (2022年8月10日 23時) (
レス) id: b8ed25930e (このIDを非表示/違反報告)
えみりーた(プロフ) - はじめまして。ずっと更新待ってました！切ない展開に、胸が締め付けられてます。この後どうなるのか、ますます楽しみになりました。期待してます！ (2022年8月10日 22時) (レス) @page8 id: d4d342cc13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんじゅ | 作成日時：2022年8月10日 19時
