第141χ ページ11
遊園地を出ていることは確実だ
遊園地を出て、千里眼を使った
もう駅の近くか
駅近くの人けの無い場所に瞬間移動しよう
……さて、Aさんは………………いた
「わっ!……斉木くん」
リングを外せと合図したが、嫌だと否定をされた
僕に対して何か思っていることは確かだ
ということはわかったが、逆に何を考えているか読めない
そのまま駅につき、2人で地下鉄に乗った
「……心美ちゃんとゆうたくんはいいの?せっかくのデートなのに」
Aさんは下を向いたまま、その言葉以外喋ることは無い
いつもはこういう時、寝るか喋り続けているはずだ
なにか様子がおかしい
結局、電車の中であの言葉以外話すことは無かった
駅について、2人で降りた
Aさんはいつもこのタイミングで出かけた感想を言う
──今日のケーキ美味しかったね〜!
──あー海楽しかった〜!
──もう食べすぎて眠くなっちゃった……
…………今日は、言わないんだな
初めてかもしれない
少し寂しいと感じたのは
そのままAさんと2人で道を歩く
いつも以上に距離が長く、静かに感じた
あの鬱陶しい感じが無い
しばらく歩き、Aさんの家の前まで来た
「今日は楽しかったよ、またね」
とてもその感想が出てくる顔には見えない
これじゃあ僕がここまで来た意味が無い
咄嗟に腕を掴んだ
「なに?」
またリングを外せと合図する
「ごめん、ちょっと疲れちゃったから、帰らせて。今は誰とも話したい気分じゃないの」
僕は君と話がしたい
腕を放せなかった
「……私がちょっと考え事しちゃっただけなの、斉木くんは悪くないし、私の考えすぎなだけだから安心して?」
じゃあ何故話せない?
「ねぇ、もういいってほんとに……!離して!」
グイッと腕を引き離そうしたが、Aさんが僕の力に適うわけが無い
僕は納得いかないぞ
「ねぇ!!……っ……話せない事だってあるの!話したくない事だってあるの!リングを外したくない理由があるの……!!」
"わかってよ……"
そう言われた瞬間、Aさんの目から堪えていたであろう涙が流れた
…………っ………
僕の掴む力が一瞬緩んだ瞬間、手から抜けたAさんの指から、リングが落ちた
(斉木くんが好きだからだよっ……)
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まつり(プロフ) - 点P撲滅隊リーダー兼隊長兼事の発端者。さん» 読んで下さってありがとうございます!糧になりますー(*´˘`*)頑張ります!! (2021年4月23日 6時) (レス) id: 254ca2f352 (このIDを非表示/違反報告)
点P撲滅隊リーダー兼隊長兼事の発端者。(プロフ) - 更新頑張って下さい!! (2021年4月23日 0時) (レス) id: 162be80354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつり | 作成日時:2021年3月5日 9時