Ψ後の晩餐7

第283χ ページ8

《完全に喜んでるなあれは》

｢買ってきて貰ってる間に戻っちゃったらどうしよう……｣

《泣くだろうな》

｢わぁぁ〜っ！タイミング考えてね私の身体〜っ！！｣


……さてこれから僕の好きな番組が始まる
自分の部屋で見よう


コーヒーでも持っていこうとキッチンに入り淹れていると、どこからかガタガタと音がする

後ろを向くと、Aさんが台を一生懸命持ってきて僕の横に置いた


《何してる》

｢私もコーヒー貰ってもいいかな？｣

《どうぞ》

｢わーい！じゃあ斉木くん終わったら私次淹れるー｣


その為にわざわざ台を持ってきたのか


《君の分ならもう淹れてる。それくらい僕に頼めばいいだろ》

｢えっ、そうなの？ありがとう〜！｣

《何かしたい時は僕に頼め。めんどくさい事するな》

｢……うん！ありがとう……！｣


Aさんを台から下ろし、サイコキネシスで元の場所に戻した
いちいち台をガタガタ運ばれるのもうるさいしいちいち戻すのもめんどくさい
それなら頼まれた方がまだ楽だ


Aさんのコーヒーに砂糖を入れていると、何やらじーっと見てくる

目が大きく見られてる圧が凄い


《……わかった》

｢お砂糖最後私調整したい！！｣

《細かい奴だな》

｢ごめん……｣


Aさんを後ろから抱き上げ、砂糖のスプーンを持たせる


｢……ほい、完了。ありがとう！｣


そのままコーヒーを持ったAさんを下ろすと、カップが重いのかプルプルとしながらそっと歩き出した

遅い、邪魔だ
番組が始まってしまう


｢わっ｣


Aさんのコーヒーをサイコキネシスで持ち上げ、Aさん自体は僕が小脇に抱えて自室へ向かった


｢な、なんか抱っこが雑に……｣

《じゃあもう一度階段下に下ろすとするか》

｢やだごめんなさい嘘です……！感謝します！｣


やれやれ……
体が縮むとこんなに面倒なことになるのか

僕は縮んでも超能力があるからどうにでもなるが、Aさんは違う
体が小さいだけでこんなにも日常生活に支障をきたす

早く戻って欲しい


｢テレビ画面が大きい……！！70インチくらいあるんじゃない？｣

《君が小さいだけでテレビは変わってない》


テレビの前にちょこんと座り、両手にマグカップを持ちフーフーと冷ます

見れば見るほど不思議な生き物だ

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