Ψ後の晩餐7

第303χ ページ28

｢てかちさぽよあのカフェのバイトはどしたん？バックレ？｣

｢勿論あっちもやってるよ。私12コ掛け持ちでバイトしてるから｣

｢ダースで？！｣

｢いやダースって！！｣

《ツッコミにツッコむな》


みーこはメニュー表を手に取ると、目をキラキラさせて見ている


｢ちさぽよ偉いな〜……あっ！！オムライスあんじゃん！テンアゲ来たわ。楠雄とAはこの"ちょっぴりビターな大人の恋の味っ？！魅惑のコーヒーぜりぃ"でいい？｣

｢い、いいけど……｣

《品名煩っ》
(品名煩っ)

｢じゃあそれとオムラ！あとソイラテ！｣

｢かしこまりました！｣


千里ちゃんは笑顔でキッチンに向かった

頑張ってるなぁ……


｢しっかし12コもバイトってヤバくね？！実際。ウチも金ねーケドビンボーマジ世知辛ぇかんな〜｣

｢なんでバイト増やしたんだろうね？｣

《……貯めてるんだろ》

｢それにしてもアンタらよく一緒に帰ってるよね〜学校違ぇのにめんどくねーの？｣

｢途中から道同じだからね！家隣だし｣

｢あ？！家隣なん？！初耳なんですケド！｣

｢そうだよ〜｣

｢なんだ余計楠雄狙いにくいじゃーんテンサゲ萎えぽよ｣

｢ダメだよー！！狙わないで！！｣

｢アタシも楠雄の隣に引越しちゃおっかなーん｣

｢や、やだー！だめ！！｣

《Aさんで遊ぶのもそれくらいにしておけ相卜》

｢……アンタらってまだ苗字呼びなん？｣

｢あ……｣


確かに……
わざとくぅちゃんって呼んだことはあるけど……ずっと斉木くんだ

でも"斉木くん"って、
初めて会った時
斉木くんを好きになった時
超能力の事を知った時
好きなのがバレた時
付き合えた時……全部の思い出がつまってるから愛着があるんだよなぁ

今から新しい呼び名にすると、全部がリセットされてしまいそうで寂しい

私はこのままでいいし、きっと斉木くんが私の事を下の名前で呼ぶことは無い

"なんて呼んだらいい？"って聞いたって、多分"何でもいい"としか返って来ないだろう


｢お待たせしましたー！オムライスとコーヒーゼリー2つとソイラテです！｣

｢わー来た！｣

｢マジうまそーじゃん！鬼上がりだわ！！早く食おー……｣

｢あっ待って！その前に……｣

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