Ψ後の晩餐7

第295χ ページ20

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｢………………｣

《………………》


これ程に気まずいとはな……

とりあえず誤解を解こう


テーブルの上に置いてあった小説を、Aさんに渡した


｢……これが何？｣

《今日届いた小説だ。これを読みたくて今日は外に出ないと言った》

｢へぇ｣

《照橋さんが来る事は最初は知らなかった。照橋さんが来れば本は確実に読めなくなるし、絶対3人で初詣に行くはめになる。だから急いでAさんを大賀さんの家に送った》

｢…それで心美ちゃんじゃなくて私を追い出したんだ｣

《君を選んで追い出した訳じゃない。照橋さんも来ないようにインターホンを鳴らなくしておいた。正直2人ともいなければ僕には都合が良い。小説を読みたかったからな》

｢それなら私にそう説明すれば良かったじゃん｣

《君に小説が届く事を言えば君は"読み終わるまで待ってる"だの"それは後にしよう"だの言うだろ》

｢……………………｣

《僕はゆっくり読みたい》

｢じゃあ用事って？｣

《用事というよりは家で小説が届くのを待ちたかっただけだ》

｢心美ちゃんとの初詣じゃなくて？｣

《違う。照橋さんが家に上がった原因は、兄が来たからだ。照橋さんが玄関で突っ立ってる時にたまたまな》

｢それで初詣に誘ったの？｣

《兄と照橋さん2人が仲良くなれば僕には不都合しかない。なるべく2人を引き離したくて照橋さんを初詣に誘ったが、兄は着いてきた》

｢………………｣

《色々あって兄がいなくなった時に君と会った》

｢………………｣

《誤解が誤解を招きこうなったんだ》

｢そうなんだ｣


意外だった
Aさんならすぐに誤解だったのかと前の様に明るく戻ると思っていたが、どうもあまり納得していない

まぁそれもわからなくもない

いくら誤解だったとはいえ、照橋さんと初詣に行ったのは事実
誘ったのも事実

用事があると言われ、追い出された挙句僕が照橋さんと一緒にいる所を見ればそれはショックだろう

これなら素直に3人で行っていれば……


｢……はぁ。なんか考えるの疲れてきた。別に私たちの関係ってどうでもないのにね。なんで私怒ってるんだろ。意味わかんないね｣


……………………


｢……私ね、思った。鳥束くんともし付き合ったらって｣

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