Ψ後の晩餐7

第294χ ページ19

｢わっ？！斉木くん？！｣

｢斉木さん……！｣

《帰るぞ》

｢やだ｣

｢……斉木さんなんスね、原因……｣

《？どういうことだ？Aさんから話を聞いてたんじゃないのか？》

｢いや、聞いてないッスよ。Aちゃんはゆめのちゃんの家に泊まるはずだったけどやっぱり帰るってなったらしくて、その帰りに俺とたまたま会ったんスよ｣

《ほう》

｢いつも通り"Aちゃーん！"って近寄ったら何故か急に泣いちゃって……原因も話してくれないんスけど、多分斉木さんだよなぁとは思ってたんスよね｣


"ね？Aちゃん"と頭を撫でながら顔を覗き込む
それに涙を流しながら頷くAさん


｢俺ん家来ます？｣

｢やだ｣

｢…………｣


そこはしっかり否定するんだな


《とにかくだ。母さんが君を心配してる。１回家に帰るぞ》

｢やだ……！｣

《顔を見せるだけでいい》

｢……無理。こんな顔じゃ会えない｣

｢……帰らなきゃダメッスよ、Aちゃん｣


！！
｢！！｣

鳥束お前…………


｢帰って、お母さん安心させましょーよ。斉木さんとも今日はちゃんと話し合った方がいいッスよ｣

｢鳥束くん…………｣

《……行くぞ》

｢わかった……｣

｢またね、Aちゃん｣

｢うん、ありがとう鳥束くん。またね｣


立ち上がり、僕の元へ来たAさんを、鳥束は眉を下げて笑って見送る


｢……Aちゃん！｣

｢ん？｣

｢……また遊んでくれますよね？俺と｣

｢勿論！！｣


………………

いつだったか、鳥束にAさんを狙っていいか聞かれた時、遊び半分なら僕の両親にもAさんにも僕にも迷惑が掛かるからやめろと言った事がある

今ならわかる
本気なんだな、お前も


……悪いな鳥束。不本意だが少しは助かった

(助けた覚えはねーッスよ。ここからッスからね。2人の関係がどうなろうと、俺は諦めないッスよ？斉木さん)

フッ……あの時の発言は訂正してやる

｢えっ？あの時の発言ってなん｣


そこまで聞いて、瞬間移動で帰ってきた


｢……くぅちゃん！Aちゃん！おかえりなさい！｣

｢すみません、お母さん。こんなに遅くなって……｣

｢いいのよAちゃん……帰ってきてくれて安心したわ｣

｢またご迷惑をおかけしました｣

｢かかってないわよ〜！ふふ……くぅちゃん、Aちゃんと部屋へ行ってきたら？｣

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