Ψ後の晩餐7

第293χ ページ18

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自室のテーブルの上に置いてあった、今日届いた小説

誰かが受け取り置いてくれたのだろう

その小説を読み終わった


全くと言っていい程頭に入ってこないな

Aさんが帰ってきたら誤解を解こうと思っていたが、中々帰って来ない

少し様子を見てみるか


千里眼！


ん……大賀さんの家か

2人の会話からして、どうやら今日は大賀さんの家に泊まる様だ

…………こっちに戻ってきてからでいいか


そう思っていた





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｢ねぇくぅちゃん……Aちゃんまだ戻って来ないんだけど……大丈夫かしら？｣


現在23時

母が心配するのも無理は無い


だが安心しろ
友達の家に泊まるらしいぞ

｢あらそうなの？それならいいんだけど……ねぇくぅちゃん。Aちゃんと何かあった？｣

！！
…………別に

｢…………そう…………。やっぱり、Aちゃん連れてきて貰えないかしら？｣

なぜだ
泊まると言ってるんだから放っておけばいいだろ

｢お正月は、皆で過ごしたいのよ……Aちゃんがいないと寂しくて……｣


それは確かに母の本音
しかしAさんと僕の事を心配してるのもあった

僕の心を読めるはずもない、いつも抜けている母だが僕を見ただけでわかる

やはり母には敵わない


わかった迎えに行ってくる

｢ありがとうくぅちゃん……！｣


瞬間移動し、大賀さんの家の前にやってきた


……！！
いない

念の為家を透視したが、大賀さんしかいない

どこへ行ったんだ全く


再度千里眼を使うと、Aさんの泣いている顔が見えた


……どこだ？ここ……

…………ん？


Aさんの頭には手が置かれていた
そいつの毛先が少し見える
この髪の色…………

鳥束……！


Aさんは鳥束の元に行ったのか？
泣いているところを見ると、鳥束に話を聞いてもらい慰められている様だった


｢Aちゃん……大丈夫ッスか……？｣

｢ありがとう鳥束くん。もう大丈夫……｣


この会話を聞くと、すぐにでもAさんの所へ瞬間移動したくなる
だがまだ3分経っていない


このまま見ているのも癪だと、千里眼をやめた

今は何を考えても無駄だ
3分経たなければ瞬間移動は使えない


とてつもなく長い3分を、色々と思考を巡らせながら待った

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