Ψ後の晩餐6

第236χ ページ9

｢このお祭り花火大会無かったんじゃなかったっけ？｣

《……空助だな……》

｢ああ……そういえばあの銃花火だったね｣

《狙って打ってるな……チッ、ここから瞬間移動で行くぞ》

｢わかった！｣


幸せな時間はもうおしまい
ありがとう斉木くん


瞬間移動で車の横に着くと、お兄さんが銃を持って立っていた


｢おかえり楠雄とAちゃん。随分長いトイレだったね、お腹壊しちゃった？ハハッ｣

｢す、すみません探し物してて……｣

《花火お前だろ》

｢あぁ、長いし暇だなーって空見てたら楠雄らしい人見つけたから打っちゃった｣


この人こわっ！！


｢そういえば、探し物ってこれの事だったりする？｣

《えっ》
｢えっ｣


お兄さんが手に持っていたのは、私の探していた巾着……！！


｢どうして……｣

｢車に置き忘れてたみたいだよ｣

｢えっ…………｣


じゃあ車から降りた時点でもう持って無かったってこと……？
じゃあ探し回ったのは全部無駄…………ってこと…………？


恐る恐る斉木くんを見ると、めちゃくちゃ怖い顔をして私を睨んでいた


｢ごっ……ごめんなさい斉木くん……！！一生のごめんなさい！！コーヒーゼリー何個分ですか！！いくらでも買います！！｣

｢お、みっともないくらい下僕に成り下がったね｣


あははと笑うお兄さんの横で必死に頭を下げた


《空助お前、車にあることわかってただろ》

｢わかってたよ。でもトイレに行くって言ってたでしょ？巾着探しに行きますとは言ってなかったからさ｣


知ってたんかい！！
……って思ったけど、全て私が悪い
仕方ない事だ


｢お兄さん、待たせてごめんなさい｣

｢僕は別にいいよ、見つかってよかったね｣


車の中へ入り、みんなにも事情を話し謝った
みんな"何も気にしてないよ"と笑顔で答えてくれて、一安心

やっぱり来て良かった


疲れからか車の中で微睡み、目を閉じた

途中、誰かの肩に頭を置いて寝てしまった気がする

横の人…………ごめんなさい……誰だっけ……

そしてその私の頭にも軽く重みがかかり、薄らと目を開けると、ぼやけた視界に髪の毛が映った

サラサラのピンクの髪……


｢……あら、くぅちゃんとAちゃん寄り添って寝ちゃってる……パパ、写真写真……！｣

｢えぇっ……！今僕運転中だよ……っ｣


目を瞑り、その会話だけ聞こえたが限界が来てまた眠った

いい夢見れそう…ふふ

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