Ψ後の晩餐6

第268χ ページ41

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…………ふぅ
やっと読み終わったぞ

今回もまあまあの出来だったな


Aさんはまだ来る気配が無い


……来るまで暇だな


なんとなく貸出カードを見ると、サイコメトリーで視えたあの2人の名前が載っていた


この巻も2人が借りてるのか
……ふーん……


｢お待たせ斉木くんっ！｣


息切れをしながら走って来たAさんはうっすらと汗をかいていた


｢部活終わらせてきた！！｣


終わ"らせ"てきた？


《ちょうどいい。続き見るか？》

｢え！見たい！｣

《視えるとは限らないぞ》

｢いいよ！｣

《僕に触れろ》

｢はい！！｣


……なんで手を繋ぐ？

まぁいい、興味本位で見てみるか

手袋が破れている指先で、本に触った


｢おっ、視えた！……ぎゃあっ！！｣


うおっ……男の顔面アップはきついな……



『まさか鏡を使ったトリックだったとはね〜！』

『ねー！私は全然気づかなかったー！』

『鮮やかだったよね！あのトリック！いや〜わかってくれて嬉しいなぁ〜村上さん。こんなに話が合う人初めて会ったよ！』

『うん、私も東野くんが初めて……』

『村上さん……僕は君のことが好きです。良かったら付き合ってください……！』



………………


｢ここで終わり？！｣
ここで終わり？！

クソ……！いい所でひきやがった……！


｢なんかいい感じだったねあの二人！｣


おいそこまで視たら気になっちゃうだろ


何回も指で本をとんとんするが製本所のオッサンしか視えない


《仕方ない次の巻で試してみるか》


ガタッと席を立ち4巻を手に取る


早速サイコ……っていや待て待て
僕はまだこの巻を読んでないんだぞ
サイコメトリーしたらネタバレを食らう危険があるじゃないか


｢視ないのー？｣


何やってるんだ僕は……目的を見失うな
そうだ僕はこの本を読むために来たんだ
他人のプライベートを覗きに来たわけじゃない


｢ちょっとその本借りるよ｣


それに僕の見た所2人はお似合いだったしいい感じだった
きっと上手くいっただろう


｢あれ？これ東野くんしか借りてないよ｣


？！
……東野しか借りてない……だと……？
そんな……村上はどうした……？

まさか……ダメだったのか……あの告白で気まずくなって……？
くっ……一体何が……？

もうこうなったら視るしかない！！


《手繋げ！》

｢へっ？あ、うんっ……！｣


指で本を触ると、視えて来た

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