Ψ後の晩餐6

第246χ ページ19

｢もう少し先だよ！あとはここを真っ直ぐ奥に進めば着くはず……！｣

｢楽しみだなぁ！｣

｢でもよぉ、卑怯な所ってどんなとこなんだろーな｣

｢貴様は本当に馬鹿だな……！｣

｢あー？！んだよいきなり！弱小のチビには言われたくねぇよ！｣

｢フッ、弱小という言葉は使えるのか……まぁ俺様には似合わぬ言葉だがな……｣

｢おめーバカにしてんのかぁ？！｣

｢バカにしてるんじゃなくてバカなんだろ！！｣

｢まぁまぁ……｣


しばらく歩くと、開けた場所が見えてきた


｢ぅお？！あそこじゃねぇか？！｣

｢なんか凄く綺麗な場所が見えてきたね！｣


やっと着いた……


全員で足を踏み入れると、ほとんど揺れることの無い水平線と、海に半分沈んだ夕日が見えた

本当に静かな場所だ


｢すごーい……！きれい……！｣

｢砂浜に俺ら以外の足跡ひとつ無いぞ……！｣

｢こっちの世界にもこんな綺麗な夕日があったとはな……おっと失礼、独り言だ｣


雰囲気台無しの独り言だな


｢ねぇねぇ｣


小さく聞こえたAさんの声の方に振り返ると、Aさんは笑顔で窪谷須の肩を軽く叩き、顔を覗き込む

窪谷須もまた笑顔でAさんを見て2人で会話し、笑い合う

はぁ、とため息をつきその場に座った


やはり歩いてくるのは疲れる
帰りは一足先に帰ると言って瞬間移動で戻るとしよう


｢っしゃあ！泳ごうぜチビ！｣

｢窪谷須くん、もう降ろしてくれて大丈夫だよ、ありがとう！｣

｢おう！｣


Aさんを降ろした窪谷須は、先に海に向かった燃堂と半ば強制的に連れていかれた海藤の元へ走り3人でバシャバシャと遊び出した

Aさんは僕の隣へ座る


｢夕日綺麗だね。波が立ってないと余計綺麗に見える！｣

《僕はもう疲れたから帰りたい》

｢えー今着いたばっかじゃーん｣


困った様に笑うAさんは、途中で顔を歪める


｢お願いがあるんだけど……膝、復元で治して欲しいの……｣

《今復元したらバレるぞ》

｢血が止まれば大して目立たないと思うから……血が止まったって言えば大丈夫だよきっと……｣


Aさんの膝に手を置き、復元した


｢うわぁ痛くない……！ありがとう！｣

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