Ψ後の晩餐6

第243χ ページ16

両脇の男は海藤を睨み、Aさんは苦笑いしている


｢んだよチビばっかり｣

｢瞬……おめーは罰を受けるべきだ……｣

｢な、なんのだよ？！俺なんもしてねーし！｣

｢｢ウォルァァァァ！！！｣｣


窪谷須が後ろから海藤を掴み無理やり寝かせ、
燃堂は物凄い勢いで海藤を砂で埋め海藤山の完成だ

どこかの相撲取りの様なネーミングになってしまったが形的には同じようなものだ


｢もう海藤くんをお城にしちゃおうか！……そうだ！海藤くんの周りに溝を掘って水を流せば…｣

｢ぅおおい？！それだけはやめてくれAさん！｣


泳げず身動きが取れない海藤にとっては地獄だな


｢お！名案だぜA！｣

｢おれっち水持ってくるぜぇ〜｣


Aさんの一言にノリノリの2人は意地の悪い笑みを浮かべながら海藤を見る


｢私溝掘るね！｣


Aさんはたまに無意識に地獄に突き落とそうとするから怖い


｢え、ちょっ、Aさん？！｣

｢みーぞ、みーぞ……｣


そういいながら海藤の傍で四つん這いになり手で砂をかく
なんとも楽しそうな顔が閻魔に見えてくる


｢みーぞ、みー…………｣


何か思いついた様に手がピタリと止まった
そういえば今日はリングつけっぱなしだな


｢ん？どうした｣

｢水持ってきたぜ2号！｣

｢止まった……？た、助かった…｣


機械に巻き込まれそうになった奴の言い方

Aさんは白目を向き口から魂が抜ける海藤の横で立ち上がり、顎に指を当てる


｢……そういえば友達が"海の端にある洞穴みたいな所を抜ければ、秘境があるんだよ。誰にも言わないでね"ってこっそり教えてくれたんだ……ここだった様な……｣


それ言っていいのか？
君は4人の前で堂々と呟いてるぞ


｢お？！行くしかねぇべ！！｣

｢なんだそれすっげぇ面白そうじゃねぇか！｣

｢とりあえずこの砂をよけてくれないか…｣


僕は知っていた
秘境というより、洞穴を抜ければそこに空洞があり、小さな海の様な場所があるだけだ

ただ知る人は少ない為砂浜もキレイだ
眺めもいい為秘境という言葉はピッタリかもしれない


砂から這い出た海藤と他3人は、"行くぞー！"と右腕を上げる

やれやれ僕は行きたくないんだがな……
Aさんは何かしらの不運を呼ぶのが得意だ

どうせ出動しなければならないなら一緒に行くとしよう

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