【実.況者】俺らの幼馴染みが鈍感すぎた件【最/俺】

#97 -キヨ- ページ47

ぱっと目を開けると目の前にはキヨくんが。
…そうじゃん。
私キヨくんと付き合ったんじゃん。
あ、お墓行って報告したいなぁ。

『キヨくん、起きて』

「うん。起きる」

意外と寝起きの良いキヨくんはすんなり起きてくれた。
いや、ありがてぇな。

『ねぇ、今日時間ある？』

「めっちゃある」

『お墓参り行こ』

「言うと思ってた。行くなら早く準備してこい。アラサーにもなるとメイクに時間もかかるだろ」

いちいちムカつくなぁと思いながらも、一緒に来てくれるキヨくんは優しいんだと思う。
てか、確実に根は良い子なんだよな。



＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿

お墓参りに必要なものを買い集めてから、墓地に向かう。
久しぶりに3人に会うのか。

『みんな元気にしてるかなぁ』

「Aが元気なところ見せれば、元気になるだろ」

やっぱりいいこと言うよな。
本当私にはもったいない。

「ここ、だよな？」

『うん』

雑談しながら歩いているとお墓に着く。
草で荒れてたのを綺麗にして、お供えものを置いて手を合わせる。

お父さん、お母さん、絃くん、元気ですか？
私は毎日元気です。
お墓こんなになるまで放置しててごめんね。
今日は報告があってここにきました。
実はキヨくんと付き合うことになりました。
絃くんはキヨくんわかるよね？
キヨくんはめっちゃ良い人でね、私にはもったいないくらいの人なんだ。
私絶対幸せになるから、3人もそっちで幸せに過ごしてね。

そして私はゆっくり目を開ける。
視線を感じてふと横を見ると、キヨくんが笑顔で私を見ていた。

「報告、できた？」

『うん。ありがとう』

「んじゃ、帰るか」

行きと違って身軽になった帰り道は、手を繋いで帰った。
暖かくて大きい手が私を落ち着かせる。
3人に会いたくて寂しかった隙間をキヨくんが埋めてくれてる感じがした。
やっぱり私この人じゃなきゃダメなんだなって思った瞬間だった。

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