#68 -キヨ- ページ18
キ「なぁ、おばけ屋敷行かねぇ?」
限定でできたおばけ屋敷に行こうとキヨくんはしつこく言ってくる。
が、私はおばけ屋敷が苦手だ。
キヨくんはそれをわかってて誘ってきてるだろう。
『キヨくん私がおばけ屋敷嫌いなの知ってるよね?』
キ「おん」
うわぁ…。最低。
悪びれる様子もないし。確信犯とか本当嫌。
でも、隣で手合わせて必死にお願いするキヨくんがかわいすぎて私は渋々おばけ屋敷に行くことにした。
-1時間後-
おばけ屋敷に着き、並ぶ間もなく自分たちの番が回ってきた。
キ「Aー。ここのおばけ屋敷めっちゃ怖いらしいよ」
入る前にキヨくんがそう言う。
私の恐怖心を煽って楽しいのか、不敵な笑みを浮かべている。
私はキヨくんに負けるのが嫌で、絶対に怖がらないでいようと決意しておばけ屋敷に入った。
が、入ってすぐに出てきたゾンビに驚き腰を抜かしてしまった。
『あ゙ぁっ!もうヤダ…』
キ「ゴメンっ。ゴメンって」
キヨくんは大爆笑だ。
謝る気なんてさらさら無いのであろう。
私はムッとしてキヨくんなんて置いておばけ屋敷を出ようと思って立ち上がった。
しかし、どこからか生首が飛んできたのに驚いた私はとっさにキヨくんの腕を掴んだ。
『もう無理っ!』
キ「頑張れ」
そう言ったキヨくんは私の手をぎゅっと握って、先を歩いてくれる。
暗闇の中だが、キヨくんの後ろ姿がかっこよく見えた。
やっとのことでおばけ屋敷から出ることができた私たち。
おばけ屋敷の中、私は悲鳴を上げっぱなしだった。
キ「A…大丈夫か?」
『大丈夫じゃないよ!めっちゃ怖かったんだからっ!』
キ「ごめんごめん」
おばけ屋敷の出口でキヨくんに怒りをぶつけている。
そのときキヨくんは笑いながら私の頭を撫でてこう言った。
キ「よし、Aの好きなもん食って帰るか」
キヨくんは私を元気づけてくれようとしてくれているのだろう。
私はそれが嬉しくて、おばけ屋敷のことなんてどうでもよくなってきた。
『キヨくん、ありがと…』
キ「いーえ」
私はキヨくんの隣に並んで歩き出した。
何奢ってもらおうかと考えながら。
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紫燕-sien-(プロフ) - (^ω^≡^ω^)さん» 遺言ありがとうございます笑!了解しました。うしざぁさん落ち書きますね。1週間以内に書くのでまた覗いてみてください^^ (2020年8月30日 23時) (レス) id: df725488bb (このIDを非表示/違反報告)
(^ω^≡^ω^) - うしざぁ落ちを......書いてくださ......い......(遺言 死因:萌え) (2020年8月30日 8時) (レス) id: f0a83a5353 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - いつも面白く楽しみに更新を待っています!大丈夫です!治ったらゆっくりでいいです!待ってますので…(^^) (2020年2月27日 2時) (レス) id: 84a3026717 (このIDを非表示/違反報告)
彩花(プロフ) - わぁ!リクエストとお答えくださってありがとうございます!続きがとても楽しみです! (2019年12月30日 4時) (レス) id: a656fafccc (このIDを非表示/違反報告)
紫燕-sien-(プロフ) - 宙ブラリンさん» 読んでいただきありがとうございました。 (2019年12月29日 17時) (レス) id: df725488bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫燕-sien- | 作成日時:2019年12月19日 20時