【実.況者】俺らの幼馴染みが鈍感すぎた件【最/俺】

#51 -フジ- ページ1

キヨくんに告白されてから私の頭はキヨくんでいっぱいです…。
悩みに悩んだ私は、幼馴染み兼腐れ縁のフジくんに相談することにしました。

フ「Aはキヨのこと好きなの？」

一通り話した後、フジくんにそう言われた。
キヨくんの好きと私の好きは違うんだよな…。

『好き…だけど、恋愛対象ではない』

フ「だったら正直に断るべきだよ」

フジくんは真剣な表情で相談に乗ってくれる。
だからこそ、断るという選択肢が1番いいのかもしれないと思わせた。
でも…キヨくんは捨て身で告白してくれたのだ。
そんなに簡単に断っていいのだろうか…。

『…ねぇフジくん。“恋”って何？』

“恋”というものがどれほど人間の中で大きなものなのか。
フジくんの答えによっては簡単にキヨくんを突き離すことはできなくなる。
だからといって同情で付き合うことは絶対にしない。

フ「うーん…。俺はそういうことは自分で気づくべきだと思う」

想像の斜め上をいく答えが返ってきた。
まさか“自分で気づけ”と言われるとは…。

『感情的じゃなくて哲学的に答えてって言ったら？』

たぶんフジくんは私の“恋って何？”を感情的な意味で答えてくれたんだと思う。
私が聞きたいのは哲学的な意味。

フ「この世界から恋愛が消えたらどうなると思う？」

また想像の斜め上をきた。
質問に質問で返されるとは…。

『…どうなるの？』

考えるのも面倒だったので適当に返す。
するとフジくんは笑顔でこう言った。

フ「恋が消えたらきっと人が人じゃなくなるよ」

意味がわからん。
芸術的なフジくんに聞いた私がバカだった。
私はフジくんにお礼を言って帰ることにした。

…キヨくんが少しは俺のことを見ろって言ってたけど、少しどころじゃない。
もう私はキヨくんしか見えてない。

#52 -P-P-→

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