ep.3 後輩はしつけましょう。 ページ7
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｢田中くんから可愛いと言われる事件｣から数週間。田中くんの顔を見ると少し心臓がおかしくなる日々が続いてる。
｢せんせ、自習室使っていい？｣
｢も、もちろんだよ、｣
｢今日もご褒美くれる？｣
｢チョコでいい？｣
｢よっしゃ〜｣
しかも、田中くんは田中くんで自ら授業後に自習をするようになったのだ。
一体どんな風の吹き回しなの。いや、別に嬉しいことなんだけどね？あんなに駄々こねてたのに不思議だなって。
それに、あの一件からなーんか田中くんの距離が近い気がするのだ。授業中にじっと見てきたり、肩が触れる距離で囁いてきたり。
大人を揶揄って遊んでいるかな。それとも、女友達には基本この距離なのかな。
私に慣れてきたから、距離感が変わったのかもしれない。だったら別に嬉しいことなんだけど。
なんて、ぼんやり考え事をしていれば、おじいちゃんみたいに優しい声が後ろからかかった。
｢お、樹、自習してくの？偉いじゃん｣
高地くんだ。
私の同期で、一緒に田中くんの授業を担当している講師。
｢こーち先生だ、珍し｣
｢確かに、高地くんいつも居ないのに｣
｢珍しくねえよ！いつも居るわ！｣
生徒にまでいじられる彼は、田中くんの国語の授業を見ていて私は英語の授業を見ている。そして私たち3人はなんだかんだ仲がいいと思う。
｢こーち先生もご褒美くれる？｣
｢何でだよ、受験生が自習するのは当たり前だろー｣
｢長谷川先生はくれるって｣
｢それは長谷川さんが樹に甘々だからだよ！｣
これ以上、樹を甘やかさないでくれる？って言う高地くんは、まるで田中くんのお兄ちゃん。
別に甘やかしてる自覚はない…こともないか。だって田中くんは推しだからなあ。可愛くお願いなんかされたら断れないし。
｢田中くんは、私にとって唯一の受験生だからいーの。そこは特別！受かってくれないと困るもん｣
ね？って田中くんを覗き込めば、私の大好きなはにかみ顔で彼が笑う。やっぱり可愛いって、田中くんの頭に手を伸ばしかけたけど、なんだか視線を感じて止めた。
視線の先には、
｢北斗？｣
私たちを見つめる、可愛い後輩。
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sail(プロフ) - ゆーみんさん» コメントありがとうございます！キュンキュンがお届けできて嬉しいです！ (2020年11月29日 16時) (
レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年11月29日 15時) (レス) id: 505bb2abee (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - 早瀬さん» タイトルの意味にまで気付いていただけてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします！ (2020年11月13日 13時) (レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
早瀬(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初は間違いなく樹の目線だったタイトルが、最後の最後で長谷川先生のタイトルになったこと、お洒落すぎました。素敵なお話をありがとうございました。次回作も楽しみにしています！ (2020年11月13日 10時) (レス) id: d923da9d53 (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - 早瀬さん» コメントありがとうございます。想いあってたのにすれ違った2人を書いていて、私も切なくなりました、、、これからも更新頑張ります！ありがとうございます！ (2020年11月5日 19時) (レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sail
| 作者ホームページ：http://ma-no homepage
作成日時：2020年10月23日 11時
