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結局雑談ばかりの授業。でも休み明けだし、進めるとこまでは進めたしまあいいとする。
｢あ、チャイム鳴った！もう終わりでいい？｣
｢駄目！宿題！｣
遊びたいざかりの女子高校生は帰る用意がすこぶる早い。急いで宿題を出して里茉ちゃんを送り出したら、私も本格的に田中くんが気になってきた。
昨日の塾の帰りに心配しすぎる私を笑った田中くんは、テストが終わったら塾に顔を出すって言ってたけどなかなか来ない。
彼が試験を受けている大学はここから遠くはないはずなのに。
だからなんか嫌な予感がした。
こういう時連絡先を交換していないことを不便に思う。
でも規則だし、彼が受験を終えるまでは教えるつもりはなかった。
｢樹、遅くね｣
｢高地くんもそう思うよね｣
｢塾から電話してみるか｣
｢確かにその手があった！｣
今日は高地くんも来ていて、一緒に生徒情報の中から田中くんを探す。
何十人もいる生徒の中からやっとの思いで田中くんの電話番号を見つけたら、突然塾の電話が鳴った。
田中くんかと思って急いで電話を取れば、それは田中くんが試験を受けた大学から。
内容は、彼が試験後に立ちくらみを起こしてまだ大学を出られていないこと。彼は大丈夫だと言い張っているけと、どうやらだいぶ高い熱が出ているということ。
｢私、行かなきゃ｣
｢え、ちょ、長谷川さん？！｣
何があったのか、高地くんに伝える前に身体が動いていた。
気づいたら白衣を脱ぎ捨てて走り出していて、スマホと財布だけ持って電車に飛び乗る。
電車で5駅、最寄り駅から走って5分で大学についた。試験の日だからか受付で引き止められて、事情を説明したら医務室に案内にされる。
｢田中くん！｣
飛び込んだ白い部屋の中、田中くんは革張りのソファにぐったりと身体を預けていた。あ、先生って声も元気がない。
｢朝から調子悪かったの？｣
｢…ほーんの、ちょっとだけ｣
｢なんで言わないのよ｣
｢先生、心配するじゃん？｣
そりゃするけど、するけどさ。心配くらいさせなさいよ。私は、君が思ってるより君のこと思ってるんだから。
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sail(プロフ) - ゆーみんさん» コメントありがとうございます！キュンキュンがお届けできて嬉しいです！ (2020年11月29日 16時) (
レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年11月29日 15時) (レス) id: 505bb2abee (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - 早瀬さん» タイトルの意味にまで気付いていただけてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします！ (2020年11月13日 13時) (レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
早瀬(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初は間違いなく樹の目線だったタイトルが、最後の最後で長谷川先生のタイトルになったこと、お洒落すぎました。素敵なお話をありがとうございました。次回作も楽しみにしています！ (2020年11月13日 10時) (レス) id: d923da9d53 (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - 早瀬さん» コメントありがとうございます。想いあってたのにすれ違った2人を書いていて、私も切なくなりました、、、これからも更新頑張ります！ありがとうございます！ (2020年11月5日 19時) (レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sail
| 作者ホームページ：http://ma-no homepage
作成日時：2020年10月23日 11時
