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19-side K ページ32
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諭すように、言い聞かせるように丁寧に言葉を紡ぐ俺を濡れた瞳で見つめてくれる
「......ありがとう」
ぶんぶん首を横に振るAちゃんの右肩にそっと手を乗せた
「少しだけだったけどさ、話せて楽しかった」
「海さん...」
「残りの大学生活も、あと会社でも頑張って」
「...っ」
一方的でひどい男だと思われたかな
ごめんね
今だに抱き寄せたい衝動を抑えるようにぎゅっと握った拳
それを広げて最後に2回、軽く肩を叩いた
"好きだよ"は言わなかった、言えなかった
でも言えなくてよかった
言ったら
「海さん...！」
「...じゃあね」
背を向けて歩き出す
これで最後だと冷静な頭で理解しながら
「...好きでした」
自分にしか聞こえないように呟いた
END
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作者名：きぃた | 作成日時：2018年3月6日 11時
