スギ花粉アレルギー 16 ページ32
B細胞side
キュイイイイン!
その聞きなれない音と、誰かの呼吸。
そして、瞼を裂くような眩しい光は俺を驚かせるには十分なものだった。
B細胞「っ・・・何、が・・・」
恐る恐る目を開けると、逆光でその黒い形しか分からなかったものの俺にはそれが誰なのかすぐに分かった。
B細胞「ナミ、イ・・・なのかっ!?」
いつも手入れをしているあの大太刀で、まるでステロイドの光線をぶった切るように跳ね返している。
血小板「あれ・・・?痛く、ない。!?あ、ああ!!白血球のお兄ちゃんっ」
俺の力の抜け緩んだ腕の間から、血小板がぴょこっと顔を出す。
B細胞「ナミイ・・・。ごめん!ごめんな!!また守ってもらう、なんて。」
なんだか、ナミイに迷惑をかけてしまったように思い、申し訳なくなった。
ただ、その反面。
またあいつに守ってもらえて、あいつのあの姿を見ることができて安堵した。そして、喜びを感じた。
6731「・・・お前は、やっぱり優しい奴だな。」
B細胞「ぁ!?」
てっきり、毒を吐かれるだろうと身構えていたが予想もしなかったその彼女の言葉にまた驚かされるのだった。
B細胞「ナミ、イ?」
6731「毎日、毎日。子供っぽくて面倒くさい奴だが・・・俺は、お前のそういう情に厚い所、嫌いじゃない。」
いつの間にか、此方に向いていたナミイの瞳には、何時もとどこか違う優しい光が揺らめいていた。
B細胞「なん、だよっ・・・。いきなり。」
.
ーーーーーー毎回こうだ。
ナミイの何時もと違う所を見たとき、ちょっと嬉しい気持ちになるのは。
ナミイのことを更に知れたような気がして、勝手に心が踊りだす。あいつの鋭い眼光が優しくなって、その中に自分が写し出されると、とても嬉しい。
そして、その優しい顔が意外にも『素敵だな』って思ってしまう。
気づけばまた涙が溢れ出していて。
何故か走り始めた俺に慌てる血小板に[ごめん]とだけ残して。
俺はステロイドとの勝負をしているナミイの腰辺りに抱きついた。・・・勿論ちゃんと手加減はしている。
6731「うあぃ!?な、なんだB細胞?今、戦闘しているんだ!!離れておけ・・・っ」
B細胞「何時も、俺。お前に助けてもらってばっかりで・・・」
6731「何言ってるんだ!?危ないから離れ・・・」
本気で、俺のことを心配してくれているらしい。こいつも、十分優しい奴だ。
B細胞「ごめん。ありがとう。」
そういって、ナミイの背中に顔を埋めると、ナミイがいかにも好きそうな石鹸の良い薫りがした。
俺が流した涙は、いつの間にか先程よりも甘いものだった。
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はる - 一生童貞の変態ホワイトまりも野郎が出てた!(クプラさん) (2020年5月11日 0時) (レス) id: e814e05207 (このIDを非表示/違反報告)
ふてんにぶおんぷ(プロフ) - 最俺最推しさん» くっ…こいつ、直接脳内にッ!!ロキ上がってましたね!やっぱ最高ですね。 (2019年1月21日 21時) (レス) id: 7ca422baae (このIDを非表示/違反報告)
最俺最推し - 僕は美しい! (2019年1月19日 14時) (レス) id: f78cecde0f (このIDを非表示/違反報告)
ふてんにぶおんぷ(プロフ) - あんこもちさん» 分かりました!!そういって頂けるとやる気がでます!o(`・∀・´)oガンバリマス (2018年10月3日 17時) (レス) id: 7ca422baae (このIDを非表示/違反報告)
あんこもち - 更新頑張れ! (2018年10月3日 17時) (レス) id: 209354e5c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふてんにぶおんぷ | 作成日時:2018年8月16日 14時