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シェアハウスに着いたけど、深澤くんはまだ帰ってきていないみたい。
「荷物置いてきますね」
岩本「あ、うん。俺用意しとくね」
買い物袋を掲げて笑った岩本さんに、相槌を打って部屋へと向かう。
いつものように振る舞っていたけど、岩本さんの表情にはさっきから色がない。
あの女性と会ってから、明らかに様子が変だ。
心配だ。
でもやっぱり、深いことを聞いてくるな、みたいなそんな雰囲気がある。
悶々とした気持ちを抱えてリビングへと戻ると、蹲っている岩本さんの姿が見えた。
「……岩本さん?」
岩本「……ごめ、ちょっと気持ち悪くなって、吐いちゃったから……、こっち来ないほうが、いい、」
「大丈夫ですか!?」
岩本「……っダメだって……Aさん、話聞いて、た? こっち来ないほうが、俺が片付けるか、ら」
「何言ってるんですか! そんな顔色青くして……もっと私を頼ってください!」
岩本「……、う、」
「大丈夫ですよ、出し切っちゃったほうがいいです」
背中を擦ってあげると、やっと岩本さんが私に身を任せてくれた。
もしかしてずっと具合が悪かったのかな?
熱はなさそうだったけれど、今まで我慢していたのかもしれない。
処理を終えた頃、洗面所で口を濯いできた岩本さんが戻ってきた。
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サイ(プロフ) - takkimakkiさん» 初めまして、とても嬉しい感想ありがとうございます!皆さんに伝わるように丁寧に綴るのを心がけていたので、そう言っていただけて嬉しいです。不定期更新ではありますが、これからも見守っていただけると励みになります(^^) (2023年3月18日 20時) (レス) id: 0e52adef77 (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - 初めまして!このお話に出会い、一気読みさせていただきました。お話の中に引き込まれて、頭の中でドラマのように思い浮かぶステキな日本語と物語で、大ファンになりました。これからも楽しみにさせていただきます! (2023年3月16日 9時) (レス) id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
にふらー@低浮上(プロフ) - サイさん» え、そんなッッ‼︎あんな駄作達なんか、サイ様の足元にも及びませんからッッ‼︎でも、アドバイスなど。気付いた点を教えていただけると幸いです。 (2023年1月2日 23時) (レス) @page18 id: 6304bb2060 (このIDを非表示/違反報告)
サイ(プロフ) - にふらー@低浮上さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます◎細かいところまで見てくださってるんだなと思い嬉しくなりました◎更新頑張ります◎にふらーさんの作品も、時間がある時に読ませてもらいたいなと思います◎ (2023年1月2日 12時) (レス) id: 0e52adef77 (このIDを非表示/違反報告)
にふらー@低浮上(プロフ) - コメント失礼しますッッ‼︎『前の席の岩本くん』が大好きで、作者様が同じだとわかって、心の中で発狂しました笑笑 サイ様の文の書き方など、勉強する点が沢山あるので、続きがとても気になります…‼︎更新、頑張ってくださいッッ‼︎ (2023年1月2日 0時) (レス) @page18 id: 6304bb2060 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サイ | 作成日時:2022年11月23日 19時