３１ ページ31
side 雅紀
白菜はね……引っこ抜けない。
包丁入れなきゃいけないから双子にはさせられない。
だから離れて応援してもらう事にした。
それが１番安全だからね。
「「まぁーにぃー、がぁんばぁっちぃ〜」」
素直な応援…………可愛いよね。
兄ちゃん張り切っちゃう。
「手を切るなよ」
「翔兄じゃあるまいし」
「「おぉ〜、すぅごぉ〜」」
包丁入れて切って行くけど……コツを知らない俺は力技。
すぽんっと切れた瞬間、双子から拍手喝采。
「やっぱ、重いわ……婆ちゃんの白菜」
「「もぉつぅ〜、ばぁんばぁのぉはぁくしゃい」
言えてなかったけど持ちたいんだね。
可愛い笑顔で持つ気満々だ。
「２人一緒じゃないと持てないよ」
２人でも難しいと思うけど。
どうせ泥だらけだから２人で抱えても問題ないだろうし。
「「うぅ〜おぉもぉいぃ〜」」
２人一緒でも持ち上がらない。
店で売ってるのと違って外側の葉は落としてないからね。
それだけでも重さはだいぶ違う。
「それは兄ちゃん持って行くから和と智は玉葱持ってって」
「「あい……あ、なぁがぁいねぇぎぃさぁんもぉ」」
いっぱい持ちたい訳ね。
翔兄は春菊だけになるよ……１番軽いけど。
その代わり、しっかり双子を撮影してくれるだろう。
そう思ったら双子は走り出した。
早く婆ちゃんに見せたいんだな。
足元……暗いし土だから転けやすいよ……そして、そうなると全身………泥だらけ確定になる。
「うぅにゃぁ」
ほら言わんこっちゃない。
先を行く和を一生懸命追い掛けてた智が見事に転けた。
足はね、和の方が早いんだ。
「智、大丈夫か？」
翔兄が智に駆け寄り、抱き起こす。
…………泥塗れ…………………血塗れ。
でも………泣いてない。
相変わらずだね……でも、それ………見てる方が痛そうなんだけど。
何で平然とした顔しるの？
「だぁいじょぶぅ？」
和の方が泣きそうな顔してるからね。
だって痛々し過ぎるもん。
翔兄に白菜を渡して俺は大慌てで智を抱え上げて走ってく。
心配気な和は翔兄に任せておく。
任せて大丈夫だね…………双子の事だし。
「和……和も転けたら大変だから、翔兄と手を繋いで行こうか」
「あい」
和は素直に翔兄と手を繋いだ。
転けたくないもんな。
中に入ると皆が寄って来て悲惨な状態になってる智を見て声をかける。
驚くよね……泥だらけだからさ。
潤が濡らして来たタオルで婆ちゃんが顔を拭いた。
顔中、傷だらけだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 158人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼羽(プロフ) - 青子さん» コメントいっつもありがとうございます♪ じんじたちは70代の設定です。母ちゃんと年の離れた兄がいる設定になってますので。だから、あんな話が出て来たんです。でも田舎のじんじたちは元気です。テレビ電話越し毎回、双子が元気パワーを送っている？ので。 (4月3日 16時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - 蒼羽さん、いつも素敵なお話をありがとうございます。じんじとばんばと双子ちゃん達の画像、そりゃお兄ちゃん必死になるでしょうね。じんじ、ばんばは60代かな？まだまだ現役ですよね。後30年以上元気で頑張ってくれそうですね。続きを楽しみにしています。 (4月3日 6時) (レス) id: 1d7c82af4f (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - aracick5963さん» コメントありがとうございます♪ 何時かは誰もが考えなきゃならない事ですね。でもきっとお話の中には出て来ないと思います。一応ね、保育園卒園を区切りにする予定なんでね。じんじばんばには、それ以上に長生きしてもらいます。 (3月12日 12時) (レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
aracick5963(プロフ) - お父さんやさしい🥹。双子を餌にやけども🤣。でも身近な話題で考えちゃいますね。遠いから特にですね。田舎でのんびりもいいけど、心配もあるし。明日も楽しみにしてます。 (3月12日 1時) (レス) @page21 id: 4219fda75e (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - aracick5963さん» コメントありがとうございます♪ 旅行と言うか里帰り？母の実家ではありますが。普段、ビデオ通話しかしてない爺ちゃんたちに会いに行くだけです。特に観光はないです。島なんでね。年末年始寒いですしね。それなりに楽しんで貰う予定ですけど。 (3月6日 12時) (レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼羽
| 作成日時：2024年2月27日 2時
