３０ 最高の守護石 ページ30
仕事が終わり１度、皆で事務所に寄った。
「直接……行けるだろ？
何で寄り道？」
「翔様、雅紀様は確かに直接行けますが、和也様、潤様は今のままでは行く事ができません。
既に手配は済んでおりますので、直ぐです」
翔は闇の王国の住民となっているし、雅紀もまた智と一緒に何度も行っているので大丈夫だとしても……天使の２人が直接行けるかどうか……
『お待たせしました。
王より承りし品をお届けに参りました』
室内の影の中から現れたのは………小鬼？
子ども程の背丈の醜く卑しい顔をしたそれが、手にした何かをマネージャーに差し出す。
「確かに。
褒美は既に受け取っている筈。
ならば直ちに去れ」
『はい』
短く返事をした小鬼は直ぐに消え去った。
「えっと…今のは？」
潤が恐る恐る尋ねた。
見るに悍ましい姿に驚いていた。
「あれは妖鬼。
醜く卑しき者です。
ですが、細工等は…ほら、御覧の通り美しく作り上げます」
マネージャーは受け取ったそれを２人に見せた。
「これを和也様と潤様に……」
「あ、俺とお揃い！」
「俺も持ってるよ、雅紀」
「この間は何も言わなかったじゃん」
「ごめん、ごめん。
すっかり忘れてたんだよ」
それはネックレス。
中央に小さなプレートがあり、その真ん中に血石、左右にそれぞれのメンバーカラーの石。
その上下に小さいが純度が高く限りなく透明で小さな金剛石が並んでいた。
「これ……大野さんからなら中央は青い石じゃないの？」
「それは王の血そのものです。
王の血は流れれば血石となり、最高の守護石となります。
これをお持ち頂ければ何人、何物も貴方方を傷付ける事はできません」
妖魔の王の血を用いた守護ネックレス。
「それを身に付けておられれば、この妖魔の国に容易に入る事が可能となります。
妖魔の国は人間は勿論、神の眷属者とて入れぬように結界を施しておりますので。
それでは参りましょうか」
和也と潤がそれを付けたのを確認して、それぞれのマネージャーが手を差し出し、その手を取ると闇へと消えた。
「ここは……」
「闇の国にして妖魔の国……」
「ここが……」
初めて訪れる様々な黒い闇が集まる王国に和也と潤は感嘆の溜息を吐く。
「目が慣れると綺麗だよ」
何度目かの訪問で少し慣れた雅紀が何故か得意気に言った。
「智くんは自室？」
「はい……」
「行こう」
「「うん！」」
慣れない３人を連れ翔は迷う事無く奥へ奥へと進んで行く。
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蒼羽(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。妖艶な王様さとさん楽しんでいただけてよかったです。私が書くとほわほわしてしまうので。格好良いさとさん目指しているんですけどね。そう言いつつ格好良いからは少しズレてますが……完読ありがとうございました！ (2021年10月18日 13時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 完結お疲れさまでした！面白かったです。妖艶な王を想像するのが楽しかったです！ (2021年10月18日 7時) (レス) @page47 id: 6d225d7753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年9月28日 2時
