２８ 降り注ぐ狂気 ページ28
光の雨を受け止めるが如く漆黒の闇が大地を覆う。
現に闇は光を飲み込んで行った。
僅かな時間……数秒だったか、数分あったか………
光の豪雨は静かに止んだ。
そして大地を覆った闇も消え失せ、現れたのは元通りの大地。
「智くん！！」
元に戻った大地を見て戻って来た皆が見たのは……
緑の大地に横たわる闇の王。
「何……何があったの？
何でこんな事になってるの！」
「翔様、１度王国に戻ります。
王を連れて……」
「翔様はこの場をお治め下さい。
王からの言伝です」
そう言うとマネージャー２人が智を連れて消えた。
「翔さん…これって…神の仕業？」
潤が恐る恐る尋ねた。
その言葉に翔が驚いて潤を見る。
「思い出したのか？」
「その言葉の意味がわかんないし、頭の中が何かごちゃごちゃしてる」
「俺も…それより何より、これ…」
そう言って和也が指差した先には金色の翼。
太陽の天使の翼があった。
「俺がわからないよ。
それなのにどう治めろっての？」
「翔様……ご説明致します」
半ばパニックになりかけていた翔に彼に付き添うマネージャーから声が掛かった。
「神が降らせたのは太陽の光を濃縮した雨……と言うか矢です。
その矢は大地を割り地割れを起こしその割れた大地より地中へと降り注ごうとしておりました。
このままでは地底の闇の王国まで届き兼ねない事に気付いた王は闇の結界を張り光を全て吸収し事無きを得ました」
「なら何故、王は倒れた？」
「如何に太陽への耐性ができ昼間も行動できていても、あの方は生粋の妖魔なのです。
しかも真昼間のこの時間……最も力が弱まります。
あの光の雨は我等、半妖魔や人間すら消し去るのです。
だから王は我等に引けと言われました」
「それでおめおめ王を残して逃げたのか！」
「王の言葉は絶対です。
お二方が戻られた時よりご指示がありました。
何かあれば王より貴方方を優先せよと…」
彼等とて苦渋の選択ではあった。
王を護りたいが、その王より彼等を護れと言われてしまっては従う他なかったのだ。
「神は忘れたのではなかったのか？」
「神が考える事など私共には想像も付きません。
唯……あの方は神が唯一思い通りできぬ方であらせられます」
重い沈黙が下りる。
「翔…ちゃん。
大ちゃん…大丈夫だよね？」
沈黙を破ったのは雅紀。
体を震わせ目には大粒の涙を溜めていた。
「えっ……あ、雅紀？
おまえも……まさか」
「大ちゃん、太陽に負けないよね」
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蒼羽(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。妖艶な王様さとさん楽しんでいただけてよかったです。私が書くとほわほわしてしまうので。格好良いさとさん目指しているんですけどね。そう言いつつ格好良いからは少しズレてますが……完読ありがとうございました！ (2021年10月18日 13時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 完結お疲れさまでした！面白かったです。妖艶な王を想像するのが楽しかったです！ (2021年10月18日 7時) (レス) @page47 id: 6d225d7753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年9月28日 2時
