95話 ページ45
Aも九十九の目的には賛同していて、研究には快く了承していた。
『でも由基さんにとっては残念なお知らせが…実は私はもう天与呪縛の影響は受けません』
九「え?と言うと?」
『あの時真人に触れられて私は変わりました。前の私なら4日間も寝たきりだったらまず、天与呪縛の影響で筋肉は衰え、立つことは出来ません。きっとメカ丸さんと同じことが私にも起きています』
九「でも見たところ、呪力は大量にある…もし天与呪縛が絶たれるとなればその呪力量も減るはずだ。きっと天与呪縛は作用しているが、魂の形を変えられたか何らかのきっかけで負の作用はなくなったんだな」
希「きっかけはなんにあれ、その体を有効に使わない手はない。4日も寝て鈍ったんだろ?恵達が来る間相手してやるよ。な?由基さん」
九「勿論」
『っ!!よろしくお願いします!』
_______5日後の11月9日
九「虎杖君見たかったって。今から3人で向かうってよ」
『来た後の予定は?』
九「まず天元様の元に向かう」
天元は日本の呪術界の中心とも言える存在。
天元の結界は"守る"より"隠す"に特化している為、そもそも会えるかどうかもわからない。
『獄門疆の封印の解き方を聞くんですね』
希「それだけじゃねえ、死滅回遊に何の意味があるのか、加茂の今後の出方と目的も聞く」
死滅回遊?と初めて聞く言葉に、恵から言われてねぇのか?と真希に説明を受けた。
『加茂憲倫が仕組んだ呪術を与えられた者達の殺し合い…死滅回遊。そこに恵のお姉さんが…?』
真人は加茂が乗り移った夏油に取り込まれ、その力を得た夏油は呪霊を放って獄門疆に封印された五条を持って消えた。そこまでは知っていたが"死滅回遊"が起きていてそこに伏黒の姉、津美紀も巻き込まれている事は初めて知ったA。
伏黒の口から言われなかった事に少しショックを感じながら、地下室に近づくにつれ大きくなる階段を下る足音の方へ目を向けた。
虎「…真希先輩!龍ヶ崎!!」
『ゆ、悠仁!!』
希「久しぶりって訳でもねぇか」
Aは虎杖の元に駆け寄ると、怪我はないかを問う。
虎「あぁ、俺の方は平気だけど…お前は、その、、大丈夫か…?」
虎杖はAの鎖骨辺りを見ながら、気まずそうに聞けばAも思い出したようで、鎖骨部分を抑えながら全然大丈夫と笑顔を作って見せた。
そんなやり取りを後ろで見ている伏黒は、それを遮るかのように、天元の結界の話を始めた。
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作者名:かえさ | 作成日時:2021年1月9日 0時