俺がいる。【伏黒恵】2 (ページ40)

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90話ページ40

話す事により呼吸が多くなった真人は、空中に舞う氷の粒子を多く吸い込む事になる。よって真人の体の中は次第に壊死してきている。

『空気中に微粒子の氷が舞っているから吸えば肺から壊死していく』

真「何…！っぐ！」

『約束通り、その目は返して貰う』

真人は口から吐血すると苦しそうにうずくまった。そしてAは手に鋭い氷柱を作り出すと、しっかり握りしめ真人の元へ向かう…そして髪を鷲掴みにし顔をあげ、それを振りかざした。

真「ヒヒッ、なーんてね」

『っ！』

不意をついて真人は、手を鋭い獣の手に変えて振りかざして来た。そしてそれをギリギリで避ける

真「だからさぁ、効かないんだって流石に知ってるでしょ？」

『それでも…やらなくちゃいけない』

真「アホくさ」

Aは知っている。普通の攻撃じゃ喰らわない、あの時のように呪力の核心をつかなければ、真人を倒せないことを。
なんと言っても真人をツギハギの姿にしたのはAだ。だが呪力の核心(黒閃)を放ったのは相当前に1回のみ。それを今、自身のタイミングでやるのは容易ではない。

『…っ』

真「ほらほらどーした？」

『アンタの方こそその程度？体内を反転術式で回復させながら戦ってるから、スタミナ切れ？それとも…本体とかじゃない？』

真「へぇ〜」

さっきギリギリまで迫った時、そのまま触れれば良いのに真人は触れずに攻撃して来てきた。それで確信したA。

『さっさと触れればいいのに…そうしないって事は、分身か何かで術式使えないんでしょ？』

真「正解…うっ、、ぐっ！！」

『…！！野薔薇……！？』

すると、突然内側か爆ぜた真人。この術式は釘崎の共鳴りだとすぐに気づいた。

『今度は効いたみたいね…これで一つ分かったと思うけど、天敵は他にもいるわ』

真「じゃっ…逃げまぁす！！」

『っ！待て！！』

当然逃げた真人を追って地下に入り込む。真人を祓ってそのB5Fにいる五条を救えれば直良し！と急いで後を追った

暫くしてすぐ1本道の向かいからもう1体の真人とそれを追う釘崎の姿。そして2体の真人は同じ曲がり角を曲がる。さらにその先には、本体と見られる真人とそれを追う虎杖が現れた。

虎杖は分身を吸収してパワーアップを図るのかと思ったが分身達はスルー。そして両手を広げる真人にやっと意図がわかった虎杖

虎「逃げろ！！！釘崎！！龍ヶ崎！！」

手のひらの警戒を解いている2人はその手に糸も簡単に触られた。