89話 ページ39
宿儺はAの襟元をグッと引き下げればさらけ出された鎖骨の辺りにガブリと噛み付いた。
『っ!い"っ!!ぁぁあ"!!』
宿「ククッ、お前の血の味、匂い、覚えたぞ」
噛まれたよりかは喰われたに近いそこからは血が垂れ流れ、痛々しく抉れた歯形がくっきりと残された。
宿「そろそろだ。伏黒を医療班の元へ連れて行く。お前も来るか?そうすれば虎杖の悲痛な表情を1番に目の前で見る事ができるぞ。ケヒッケヒッヒッヒッヒッ、そしてお前は何も出来はしないのだ」
『…確かに現実を目撃した悠仁に私は何も出来ないかもしれない。ただ目の前で悲しみ自分を嫌い自分を戒める所を見てる事しか……でも!私はまだ戦える。悠仁が戻って来た時、一体でも呪霊は少なくなっていた方が幾分いいでしょ?私が悠仁の為に出来る最善の事だと思う』
きっと虎杖に"大丈夫"とか"悠仁は悪くない"とか薄っぺらい言葉しかかける事が出来ないのを分かっているからこそ、行動で証明しようとしているA。
反転術式で、自分の傷を止血し宿儺の目を見据え言葉を続けた。
『アンタが恵で何を企んでるかは知らないけど、殺さない事だけはわかった。だからこの言葉をアンタにかけるのは間違いだけど、恵をよろしく』
Aはそう言うとその場を後にした。
宿「殺さない…か。クックックッ
今は、な」
____________
Aは出会った呪霊や
『っ、それにしても改造された人が多すぎる…これも例のツギハギのせい…?』
真「そうだよ〜俺がやりました♪」
『っ!!ま、ひと…』
真「久しぶりっ、Aちゃん。大きくなったね」
突如背後から聞こえた声。振り向けば真人の姿。Aの中で全てのピースが完成された。
『随分と見た目が変わったのね。…そしてその瞳は清の物に見えるけど?』
真「君達兄妹には感謝してるよ。こうして、魂の形を簡単に変えやすくなったし…あとこの瞳は綺麗で気に入ってるんだ」
真人のオッドアイの瞳。透き通る綺麗な灰色の瞳は嘗てはAの兄、清の物だった。
『アンタにその目は似合わない。だから私が…抉ってあげる』
Aの挑発に目つきを変える真人。こうして2人の戦いは始まった。
『雹零術式、霰曇』
真「へぇ、術式もちゃんと使えるようになったんだね。感心感心」
『そんなに喋ってる暇あるかな?』
真「…?…う"っ」
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作者名:かえさ | 作成日時:2021年1月9日 0時