俺がいる。【伏黒恵】2 (ページ33)

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83話ページ33

陀「海は万物の生命その源。死累累湧軍は際限なく湧き出る式神だ」

そこで真希も攻撃するが、呆気なく弾かれる。

陀「弱い…お前が1番…！！」

『真希さん！！』

真希は陀艮に蹴り飛ばされるが、抜群の反射神経で受け身をとった。

希「弱ぇって言うならよぉ、一撃で殺せやタコ助！」

陀「ならばオマエも2人のように食い尽くしてやる」

『その前に私が相手』

するとAは走り出すと海の方へ向かった。

陀「フッ馬鹿か、海(そこ)からが死累累湧軍が生成されているのを理解していないのか。それとも早く死にたいのか」

『ハンデを与えてるの』

Aの足が海に触れた瞬間、足元が凍りつき足場となる。その為海の上は自由自在に移動できる。

陀「大口を叩けるのももうお終いだ。さぁ、食い尽くせ」

その言葉を合図にAは立ち止まり海に手をつけば、そこに呪力を送る。すると一瞬で海は凍った。

海から体を半分出して凍っている式神は踏み潰し『勝手に生成場所教えてくれて助かった』と一言言えば、両手で氷面を触れる。

『氷塊垂嶺床(ひょうかいすいれいしょう)』

凍った地面から鋭く尖った無数の氷柱が生えて来て、グサ、グササササと鈍い音が聞こえたかと思うと、その氷柱は陀艮を下から突き刺していた。

陀「う"っ小娘が…許さんぞ！許さんぞ！！」

流石の特級呪霊。あの一瞬で急所は避け、一気に氷柱を粉砕すれば、反転術式で自身に開いた穴を塞いでいく。

だがAも反撃をやめない。逃げる陀艮を追う様にそのまま下から氷柱を生やす。

陀「遅い！」

『っ！！』

気付けば拳は目の前、そしてパリンッと音共に拳が顔面に当たったAは遠くへ吹っ飛んだ。

陀「殴られる寸前氷の壁を作り衝撃を和らげたか…小賢しいことを」

そう拳が当たる数センチ前にAは、腰元で人差し指と中指を揃え印を結べば、その指をシュッと上げ氷面から氷の壁を生成していた。きっとそれがなければ首だけ吹っ飛ばされていただろう。

そして氷一面だった海はピキッピキッと音を立てながらヒビが入り始めた。

陀「フッ力尽きたか……う"ぐっ！」

海の氷が少しずつ溶け始め油断した陀艮の腹に、猛スピードで戻ってきた勢いのまま膝蹴りを喰らわす。
そして左の口の端と左の鼻から出ている血を腕で拭った。

『第2ラウンド』

陀「受けてたとう」