俺がいる。【伏黒恵】2 (ページ29)

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79話ページ29

少しの沈黙の後、伏黒は立ち上がりドアに向かう。ドアノブに手をかければそのまま口を開いた。

伏「投げ倒したりして悪かった…Aが戸塚さんのモノになるんじゃないかって、焦って…別に俺にどうこうする権利はないのはわかってる……取り敢えず、、悪かった」

伏黒はそれだけ言うとAの部屋を出て行く

『何でキスするの、何で焦ったの、なんで…恵の気持ち知りたいだけなのに…』

Aの言葉は誰にも聞かれる事なく消えていった

______________

釘「もーすぐハロウィンだけど、何か予定あんの？」

『ないよ』

釘「ふーん。伏黒と何かあったんだ」

『なっ、何にもないよ！急になに！？』

釘「伏黒最近部屋にも来てないみたいだし、分かりやすすぎるのよ」

『……』

釘崎の鋭さにAも言葉が出ない。

釘「この先Aはメンズと出会うチャンスないかもしれないんだから、伏黒か戸塚さん慎重にね。戸塚さんなんて、1ヶ月近く返事してないんでしょ？」

『なんか最初の方引っかかるけど…返事は近々するよ…』

釘崎はじゃっ、と声をかければひらひらと手を振ってAの部屋を出ていった。

釘「Aもめんどくさいのに好かれたわよね」

＊＊＊＊

伏「戸塚さんに言われたって、聞いたか？」

釘「えぇ」

伏「返事、したって言ってたか？」

釘「まだだと思うけど…てか自分で聞けよ」

伏「…」

釘「何があったか知らんけど、伝える事ちゃんと伝えねーと持ってかれちゃうからな」

＊＊＊＊

釘「Aが告られたの知ってから毎日のように、返事したか聞いたか？って聞かれるこっちの身にもなれってのよ。何しでかしたか知らないけど、本当めんどくせー」

釘崎がプチ被害にあっていた事など知る由もないAは携帯を手に取り、電話帳を開いていた。そしてスクロールした手を止めたところには"戸塚翔太"と言う名前。

そしてコールボタンを押す。

______もしもし

『もしもし…久しぶり。あの、、返事をしようと思って…電話、しました』

______そっか。聞かせて、頂けるでしょうか…

『…私、えっと、、、戸塚さんと…お付き合い……』