俺がいる。【伏黒恵】2 (ページ27)

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77話ページ27

『戸塚さん！お待たせー！』

戸「っ！Aさん…と何で伏黒君も…」

伏「あからさまに落ち込まないでください」

『恵も買い物あるからって一緒に出て来たんです』

戸「じゃあよかった。今日は映画見ようと思ってチケット2枚(・・)しか用意してなくて…それじゃあ時間ないから伏黒君また」

伏「チッ」

Aと戸塚は次の週宣言通り合う約束をした。そして戸塚はこんな事もあろうかと、Aにも予定を言わずに2人になれるよう伏黒対策をしていた。こうして無事2人で映画館に向かう事ができたのであった。

『何の映画見るの？』

戸「この間話した本と同じ作者の本が映画化されたやつなんだけど面白いって評判でさ、本を読んでなくても楽しめるし、映画観た後に本を見てもより深くまで知れて2度楽しめるからお勧め！」

『へぇー！楽しみ！』

そして2人は映画を見終わってカフェに来ていた。

『面白かったー！まさか犯人があの人だったなんて…』

戸「本だと犯人の過去も忠実に書いてあって、実は…あ、ネタバレになっちゃうから自分で見て！」

『ずるい！気になる！』

戸「ハハッ俺の口から聞くより、自分の目で見て欲しいからさ！」

2人はその後も他愛のない話をしながら昼食をとり、プラプラお店を見て周り気づけば時刻は16時を回ろうとしていた。

戸「え、もうこんな時間！駅まで送るね！」

『うん！』

暫く歩くと、戸塚は突然足を止めた。何事かと驚いて一緒に足を止めたAの手を戸塚はそっと手に取り握った。

『っえ！？』

戸「…手繋いで、いいかな？もう繋いでるけど…」

『う、うん』

突然の事で何が何だかわからないAに、戸塚は話を続けた。

戸「今日は長い時間俺に付き合ってくれてありがとう」

『いや、お礼を言うのは私の方だよ！映画もお昼も戸塚さんがお金払ってくれて…私は何も…』

戸「何もしてなくないよ。Aさんが俺と一緒に居てくれるだけで、俺は嬉しい」

『あ、ありがとう…』

戸「Aさんは彼氏とか、作らないの？」

『………機会が、あれば』

戸「ど、どんな人が…タイプですか？背が高い方が好き？積極的な人と寡黙な人のどっちが好きとかありますか…？
Aさんが何を好きとか嫌いとか、そう言う事もっと知りたい…」

『…っ』

そこにある存在を確かめるようにAの頬に触れると

戸「Aさんの事好きです…付き合って…下さい
」

そのまま、ほんの少し触れるだけのキスをした。