75話 ページ25
『ねぇねぇ行きたいカフェがあってさ、恵もきっと気にいると思うから次の休み一緒に行かない?』
伏「それってデートの誘い?」
『前に行きたいとこあるなら俺が付き合ってやるって言ってたでしょ。折角誘ったのに、野薔薇誘おーと』
伏「行かないとは言ってねぇ」
『余計な事言うからでしょ』
こんなやり取りがあった数日後、2人は都内に出ていた。
『そこのカフェ実は元々本屋さんでそこで借りたり買った本をそのカフェでそのまま読めるんだって!』
伏「借りた本も読めるのは珍しいな」
『でしょ?恵は本とセットでコーヒーも飲むでしょ?だから好きかなーと思って』
Aはニカッと笑って、楽しそうに伏黒に語りかければ伏黒にも自然と笑みが溢れる。
伏「フッ、あぁ好きだ」
『…っ』
"好きだ"と言う言葉に何故か恥ずかしさが込み上げ、少しはにかんで言うその表情に一瞬だが目が奪われる。
伏「ん?どうかしたか?」
『い、いやなにも…あ、ここだよ!』
こうして2人はカフェ兼本屋に入った。お互い読みたい本が決まれば伏黒は本をAに託し、俺は飲み物頼んでくると言いカフェエリアのレジの方へ向ってしまう。
礼を言い本屋のカウンターへ向かえば、思いもやらない人物から声をかけられた。
『この本レンタルでお願いします』
戸「A、さん?」
『?…戸塚さん!なんで!?』
戸「なんでって、ここ僕のバイト先!」
戸塚が前に言ってた少し変わったバイト先とはまさにここの事。
戸「ま、まさかAさんに会えるなんて…不意打ち食らったな。ハハッ」
「まさか翔ちゃんの彼女?めっちゃ可愛いじゃん!」
戸「っばか、ちげーよ!ご、ごめん!レンタルだよね?ちょっと待ってね…」
エプロン姿の戸塚はバーコードを読み取りレジを打ち込んで、どうぞと本を渡して来た。
戸「Aさんもこの本好きなの?実は俺も好きなんだ」
『これは連れの本なの。やっぱり恵と戸塚さんって話が合いそう!』
戸「連れって…もしかしてこっちずっと睨んでるあの人?」
『え?』
振り向いた先にはコーヒーとミルクティーを買い終えて席に座ってこちらを睨む伏黒
『そ、そうです…じゃあもう行くね』
戸「うん。ごゆっくり」
Aは伏黒の元へ行き、飲み物ありがとうと言えばそんなのお構いなしに誰アイツ、の一言。
前に話した戸塚さんだよ、と言えばあの電話詐欺のかと言って本を読み出した。
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作者名:かえさ | 作成日時:2021年1月9日 0時