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小さく丸まった背中が震えている
俺…今日ホンマにアカンな
彼女が欲しいであろう言葉を
何も言ってあげられない
言葉に詰まる＝YESになってしまうのに
照史と別れろなんて思ってないし
手を離さないかもって心配なんて
一切していないって
ちゃんと寝るまで側に居るって
ぬいぐるみ茶化してゴメンって
ありがとうって
必要な事、何も言えてない
守るって決めたのに
彼女が俺だけに伸ばす手を
絶対離さないって決めたのに
葛藤する俺に気が付いた彼女が
自ら離してしまった
…
今
この状況で
俺が出来る事はなんや
頭をフル回転させる
仕事を優先するか
2人の気持ちを優先するか
それは完全に逆の選択
最善の答えなんて分かるかいや
あ…せや、俺達飲んでるんやった
自分の中に湧き上がったままの感情と
アルコールの入った2人
彼女は一定レベル酔うと記憶を必ず飛ばす
コレを使わない手はない
照史、スマン
先に謝っとくわ
俺は限度と覚悟を決め
彼女の背中にそっと手を置いた
「まだ帰らへんよ
ちょっと待っててな」
・
布団をそっとめくり
背を向ける彼女の隣へ潜り込む
「秘密の充電しよか
照史にも流星にも秘密やで」
そう囁いてから
彼女を後ろから抱きしめて引き寄せる
隙間見つけて腕枕を通すと
より一層ピタリとくっついた
俺の胸と彼女の背中
心臓バクバクしてるのバレるやろな
俺の腕の中に彼女が居る
2人で
布団の中で
幸せすぎる
俺の理性…保てよ
「怖くない
俺が居るよ」
小さく震えながら静かに泣く
彼女の頭や腕を撫でる
大丈夫
大丈夫
俺にはどうにも出来ひん事だらけやけど
1人になるのが怖いから
側に居てほしいってのがお願いなんて
ナンボでも居ったるわ
・
時間が経つにつれ
涙が落ち着いて行くのと同時に
彼女の力が抜けていく
眠ったかな？と顔を覗き込もうとすると
彼女がゆっくり俺の方を向いた
「起きとったんか」
潤んだ目で俺を見上げている
視線が絡んで心臓がドクリと鳴る
アルコールのせいで
外れかけたリミッターのせいもあって
可愛くて愛しくてたまらない
濡れた頬をそっと手のひらで撫でる
柔らかい頬
つやつやの唇
やばいな
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年6月8日 10時
