435. ページ13
「覚えてない…？どういう事？」
アルコールの力を借りながら
昨日の様子を順を追って話していく
淳太の表情はどんどん固くなっていった
「テーブルの上にこれが置いてあって…マジで焦ったわ」
あの薬のシートを見せる
「…見たことないな」
検索した画面を見せながら
「今日の午後に処方されたばっかりやのに
俺が行った時点でこれだけ飲んどった」
と伝えると目を丸くした
「飲んだ事は覚えとったで
ゆっくり眠りたかったんやって」
薬のシートを持つ淳太の手が震えてる
この種類を一気に飲むって
やっぱりそんな想像してまうよな
「そういう意図は無かったらしいから
大丈夫や」
それなりの人間に対処法聞いた事も伝える
「声を掛ければ覚醒までしなくても
話すことは出来てるし
弱い薬やし、この程度の量なら
吐いてなきゃ大丈夫って言われてな」
「話せたん？」
「頭痛いって。うわ言やろな」
「最近、調子良さそうって
流星も照史も言ってたから安心してたのに」
「ホンマにここ最近は
めちゃくちゃ体調良さそうやったで
でもさっきは凄い熱で
痛い痛いってうなされてたから
薬と水飲ませて…」
そこまで言って気が付いた
なんとかしようと必死すぎて
俺…姉ちゃんに…口で…
「流星？どうした？」
呼ばれて我に返る
「いや、なんもない」
今度…照史に謝らなアカンな
そこからは落ち着いて眠った事
ゴミ袋の中身を1つ1つ片付けた事
順を追って話していく
「アルバムも捨ててあってん…
それが俺はショックやった」
姉ちゃんには伝えてないねん
何を捨てたか覚えて無かったから」
「…」
「要らんと思ったんかな
あんなに大切にしとったのに」
淳太から返事はなく
ただ辛そうな顔をしていた
目を覚ました後の様子も詳しく伝えた
「薬のせいなんか、妙に明るかったで
昔に戻ったみたいに
照史と付き合い始めた頃みたい
もうすぐ来るけど、淳太ビックリするで」
「は？今から来るん？」
あ、言ってなかったか
時間差で呼んでる事を伝えると
「はよ言え」と笑った
「なぁ…照史に言わなアカンやろ流石に
全部話して
少しでも一緒に居れるようにせな
もう限界越えとんで？」
何も答えずにグラスを傾ける淳太
まだ震える手が隠せてないで
一気に伝えたから消化しきれてないよな
でもスマン
俺にはこれ以上は無理や
後は頼んだで、お兄ちゃん
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：向日葵 | 作成日時：2022年6月8日 10時
