体育祭 ページ33
「"極限必勝"！！！ これが明日の体育祭での我々Ａ組のスローガンだ！！ 勝たなければ意味はない！！」
「そっか、体育祭のチームは縦割りだから京子ちゃんのお兄さんと同じチームなんだ」
「そうだね。ボクシング勧誘の時も思ってたけどホント熱いし超絶元気だよね」
疲れないのかなぁ、なんて思うが常時死ぬ気の男にそんな言葉は存在しないのだろう。
頬杖を突きながら事の成り行きを見守るA。
「今年も組の勝敗を握るのはやはり棒倒しだ。例年組の代表を棒倒しの総大将にする習わしだ。つまりオレがやるべきだ」
何が「つまり」なんだろうと思うが、了平は次に自分が総大将を辞退することを叫んだ。自分は対象であるより兵士として戦いたいのだと。
「笹川先輩らしいなぁ」
それから了平の圧に気圧され、気づけばツナがＡ組の総大将になっていた。
ほとんどの生徒が了平の考えに反対だったのだが了平の
「手をあげんか！！！」
という命令ともとれる言葉と、獄寺の凄みに過半数が手を挙げたのだった。
「流石にあれは止められないわ」
「いや、うん、あれはしょうがないよ……でも先輩たちからは白い目で見られるし、総大将なんて絶対無理だよ！！」
「そんなのやんなきゃわかんねーぞ」
「リボーン君」
「お前は棒倒しの怖さを知らないんだよ！！」
「ツナから聞いたけど、うちの学校の棒倒しは結構物騒らしいよ」
全員が全員総大将を落とすために服を引っ張るどころか殴る蹴るは当たり前。
だから普通は総大将にはそのチーム最強の男がなる。
「ワクワクするな」
「ガクガクするよ！！」
なんて話をしているうちに分かれ道でツナとAは別れることになる。
「明日頑張ろうね。応援する！！」
「応援でどうにかなるものじゃないよ……」
「あははっ……また明日ね」
「うん……また明日……」
憂鬱そうなツナが心配だがしょうがない。これが世の理だから諦めるしかない。
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作者名：うがつ | 作成日時：2022年9月18日 16時
