検索窓
今日:37 hit、昨日:42 hit、合計:46,630 hit

最恐の風紀委員 ページ11

なんとなく見たことのある景色。漫画の中にだけ存在していた景色。それが今自分の目の前に広がっているという現実がAの胸を躍らせた。

すごいすごいと声に出さないものの、表情には出てしまっていた。

地図を片手に歩き、まずは並盛中学校へ。十分もしないでAは中学校へと着いた。

近くて何よりである。地図を持ち、次は商店街にでも行こうかとAが振り返ろうとした時、Aの耳に声が飛び込んでくる。


「ねぇ、何してるの?」


がばりと勢いよく振り返るとそこには学ランを肩に羽織ったAと同い年くらいの黒髪の少年がいた。

その少年が雲雀恭弥という今Aがいるリボーンの世界で指折りの強者であり、戦闘狂であることを知っていた。知っていたからこそ背中に嫌な汗が伝っていくのがよくわかった。

言葉が詰まりそうなのを何とか取り繕い、Aは声を発することに成功した。


「明日からここに通うから、引っ越してきたばかりなので道順の確認を……」

「ふぅん……入ってみるかい?」

「なんっ……い、いいん、ですか?」


まさか会って数秒で最強で自分ルールで生きている雲雀からそんな提案をされると思っていなかったAは反射的に「何でですか」と聞きそうになるのを途中でグッと堪え提案を受け入れた。断るという選択肢を取ることは出来なかった。

そのまま雲雀は先ほど自分で言った通りAを校舎の中へ招き入れる。

招き入れただけで驚きなのに、雲雀は簡単に校舎内の説明もしてくれた。説明といっても教室の名前だけで、そこで何をするかなどの具体的な説明は一切なかった。


「君は下風Aだよね」

「はい。……はい? なんで名前……」

「ここが1−A。君が明日から通うクラス」

「名前もクラスも、何で知ってるんですか?」

「僕だからね」


答えになっているようでなっていない。さすがは雲雀恭弥だとAは妙な納得をしていた。

全校生徒の名前を憶えているというのだろうか。

だが覚えているのは最初だけかもしれない。後々弱い人物、ただ群れるだけの人物だと雲雀が認識すればそれはたちまち「草食動物」という雲雀が咬み殺すべき大勢のうちの一人となってしまう。Aがそうなることは恐らくないが。

-2-→←リボーンの世界へ



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
68人がお気に入り
設定タグ:REBORN , トリップ , 雲雀恭弥
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:うがつ | 作成日時:2022年9月18日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。