恋と愛と依存【轟焦凍】 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:23,666 hit

１ページ2

.

『今までありがとう、さよなら。』

それだけ言い残して今まで住んでいた場所を去ってから
もうすぐ１時間ほど経つ。

今日は私の１８歳の誕生日。

日本の法律では１８歳未満には何でもかんでも保護者が必要だ。
だけど、それも今日で終わり。

時計の短針と長針が真上で重なるや否や荷物をまとめ家を出た。
心残りや未練なんて毛ほどもない。

これはずっとずっと私が望んだ瞬間だった。

『…って言っても、これからどうしようかな』

１８歳の私が行く宛なんて１つもなかった。
とりあえず、今は公園のベンチに荷物を抱きしめながら座っている。

モブ１「ねえ、お姉ちゃん１人？」

モブ２「俺らと遊ぼうよ～」

そりゃあ、こんな若い女の子が夜中に１人でいたらこうなるよね。
こんなテンプレみたいな展開を想像できなかった訳じゃない。

私の個性も弱いわけじゃない。
これくらいのモブ私１人で…ってあれ？

『さ、寒…っ』

モブ男２人の足元が氷で固まって動けなくなっている。

「行くぞ」

突然誰かに腕を引っ張られされるがままその場を立ち去る。

「そろそろ、かな」

『あ、あの、えっと。』

「あぁ、わりぃ…痛くなかったか？」

『大丈夫です』

少し離れたところまで連れて行かれると
息を切らす私と息が上がってすらない男の人がいた。

帽子を深くかぶっていて顔は見えないけど
低い声が印象的な男の人だった。

.